ポリプテルス・アンソルギーを求めて、ギニア調査紀行 in 2006

西アフリカにポリプテルス・アンソルギーを求めての調査紀行


2006年の時点では、観賞魚業界で取り扱いがないポリプテルス(下顎の出たタイプ)といえば、P.アンソルギーとP.ビキール・カタンガエの2種でした。 これは、その2種のうちの1つ、当時、幻と言われたP.アンソルギーを求めて西アフリカを訪ねた時の調査紀行です。
西アフリカ、ギニア共和国は、雨季には豊かな降水があり、ニジェール河、セネガル河といったアフリカ有数の河川の水源地帯です。これらの河は独立しているため、固有種も多く、比較的少ない移動距離で効率的に調査を行うことができるのです。

2006年、私たちはポリプテルス、特にポリプテルス・アンソルギーを求めて現地に向かいました。
 



出発。コナクリ近辺〜遠隔地へ




コナクリ北西から、街道と接する河川を調査しつつ、時計廻りにギニア共和国をほぼ一周する2週間の旅程でした。(矢印は出発地のコナクリ)




ギニア共和国首都コナクリ出発






ユーロをギニアフランに換金。 これで100ユーロ分だったと思います。




コナクリ郊外から見えた岩山。





コナクリから比較的近いコゴン河




ナイルパーチ、タイガーフィッシュが見つかりました。両者ともに食用として放流され、定着したのかもしれません。




街道と交差する小さい川々でも採取を行いました。




アフリカンランプアイ、エピプラティス・アニュレータス(クラウンキリー)、ペルヴィカクロミス・フミリス、ナノクロミスSP.、パンチャックスSP.、ジェリービーンテトラなどお馴染みの魚が採取できました。








小さい河川の水は、植物のエキスが溶け込んだブラックウォーターが多かったです。




水草もアヌビアス各種やホシクサの仲間をはじめ、多くの種類が繁茂しています。







ここらはコナクリから日帰りで採取ができますので、新しい魚種は見当たりません。したがって、遠隔の内陸部を目指します。










道中に見かけた人々の暮らし

雑貨店。





民家の軒先のような店に、缶詰や飲料水などの日用品、ポリ容器入りのガソリン、自動車用の消耗品などが売られていました。




地方ではガソリンは貴重品で、逆に売ってくれといわれる場合もありました。こういったガソリンには砂が混ざっていることが多いため、燃料フィルターが目詰まりして車が止まることが何度もありました。そんな時、地方でも燃料フィルターが入手できて助かりました。




店先で。20年来の取引のあるMr.Fouad。





街道沿いの村々の人々。








自動車の渡河方法。




地方の街道沿いにある食堂。ヤギ肉の串焼きとご飯が人気メニューでした。




モスク。ギニアはイスラム教徒が多いです。朝はクルアーンの詠唱が響きます。




地方のホテルは一泊300円から1000円程度。安いホテルにはシャワー、電気はなく井戸水を自分でくみ上げて体を洗います。夜は自動車用のバッテリーと電球が照明。食事は自炊も多く、電池切れで就寝です。
地方のホテルやレストランで、パスタやハンバーグを食べる場合もありました。これが日本で食べたものよりも美味しくてびっくりでした。さすが旧フランス領です。

宿が見つからないときもあり、そんな時は野宿もしました。


泊まったホテル、その1




泊まったホテル、その2




泊まったホテル、その3




トイレ。





P.アンソルギー、P.ラプラディの発見。コリバ河近辺〜本河(コーロウントウ河)



P.アンソルギーの探索

100年前に記載されて以来、観賞魚として流通することの無かったP.アンソルギーの生息地は、ギニア・ビサウのコリバ河とギニアのニジェール河でした。ニジェール河産のポリプテルスは上流域のギニア便、下流域のナイジェリア便で定期的に入荷しており、当時、P.アンソルギーのインヴォイス名で入荷する場合もありましたが、どうみてもP.ラプラディもしくは、P.エンドリケリーとラプラディのハイブリッドでした。
そこで当社のギニア共和国のビジネスパートナーのFouad氏が、「コリバ河はギニア共和国に源流があり、P.アンソルギーはそこに生息しているはず」と言っていたのが、本ツアーの決め手なのでした。


朝もやの中にたたずむコリバ河(トミネ河)上流域。




水深が深く、流れの強いところも多いです。





ポリプテルスは現地では食用魚ですので、コリバ河畔の各村の食品市場、漁師の家を訪問して情報収集するのが、自分達で採取を行うよりも効率的でした。
そこの漁師さんにP.アンソルギーの載っているアクアログの図鑑を見せると、いるよ!という返事。そうこうしているうちに、ある漁師さんが目的の魚が捕れたと、当日に採取された個体を運んできてくれました。
下あごの突き出した大型ポリプテルス特有の体形、体側のブロック状の模様、背びれの数からP.アンソルギーと判断して間違いの無い個体でありました。













他、コリバ河産のナマズ(シノドンティスSP.)







コリバ河の漁師さん宅。








コーロウントウ河のP.ビキール・ラプラディ

コリバ河を後に、さらに北上してセネガル国境にあるクンダーラ町に程近い本河で採取と市場調査を行っていると、写真のような大型のP.ラプラディが見つかりました。現地の漁師さんいわく、ラプラディの最大のものは1mに育つ!とのこと。






他にアフリカンパイクカラシン、大型のドルフィンモルミルスに惹かれました。





クンダーラの市場。







クンダーラ→ラビ→ダボラ→コーローサへの移動、ついに大河ニジェールの源流へ




P.エンドケリーとP.ビキール・ラプラディの生息地として有名なニジェール河上流部を目指して、一日12〜15時間の長距離ドライブを行いました。



セネガル国境に近いクンダーラの街。






自動車での移動風景。








ようやくニジェール河源流に到達!






地方の学校。




ニジェール河源流近で、投網、手網を使って採取を行いました。
ポリプテルスは見事に・・・捕れません・・・。
この魚は夜行性らしく、通常はカゴで採取するとのことです。










ニジェール河の市場

写真はコーローサの市場。






P.エンドリケリーとP.セネガルスが食用として売られていました。




保存用の干物に加工される個体もありました。
現地ではポリプテルスは美味しい高級魚扱いでした。




エンドリケリーは人気の高いレンガ色の個体もおりました。






ニジェール河の漁師さんの家に訪問、魚仕入れ






軒先に生簀あり。




ポリプテルス エンドリケリー&ラプラディ IN 生簀。









ギニア犬




ギニア猫






カンカンを経由してギニアをほぼ1周、コナクリに無事帰着



コナクリ郊外の小川、沼

ランプアイ、P.パルマス・ブティコフェリー(ローウェイ)などの小魚を求めて。








アフリカンランプアイのワイルド個体。
思ったよりも痩せています。 当社に入荷したら十分に給餌して太らせてから出荷したいですね。




エピプラティス・アニュレータス(クラウンキリー)
この魚は水草水槽で飼育するととても綺麗になります。




デンキナマズ、P.パルマス・ブティコフェリー




このような湿地は水草の宝庫です。






P.パルマス・ブティコフェリー(ローウェイ)の買取り






ドジョウ似のモルミルス、イシクティス・ヘンリー(珍!)







アフリカンスパイニーイール と アフリカンダータテトラ








約2000キロ、2週間の探索終了。

目標のP.アンソルジーに加え大型のP.ビキール・ラプラディの生息地も見つかり満足のいく旅でした。コナクリ市内で余韻に浸ります。


コナクリのホテル。一泊60ユーロ程度でした。


 


コナクリのMr.Fouadのストック施設。






コナクリ湾の夕焼け。




コナクリ湾に停泊中の貨物船。
ボーキサイトをはじめとする地下資源が輸出されます。




船頭の青年。





ギニア名物料理。地鶏、牛肉、フエダイをマリネし、炭火でローストしたものに、玉ねぎ、トマトのマリネをのせたもの。とても美味!特に地鶏は味が濃く、酸味の効いたソースは飽きないです。一皿500円。あまりのうまさに2皿×3回通いました。




上のレストランの厨房。現在はどうか分かりませんが、当時はコナクリ市内にも公共電力が存在せず、レストランやホテルは自家発電やバッテリーが電源でした。




オニカマス(バラクーダ)のポワレ、ベシャメルソース。ライス添え。






素敵な旅に同行してくれたスタッフ。




自然の偉大さを知った旅でした。




カミハタブリードのP.アンソルギーが誕生したのは、この約2年半後のことでした。




END