レイアウトで重宝する技。
水草と石・流木素材を接着するゼリー状接着剤の使い方

目次

1.レイアウトで重宝する技。ゼリー状接着剤の使い方

1-1.主な用途

ゼリー状接着剤は、主に水草を、流木や石など素材に接着する際に適しています。特に、活着性が強い水草(コケ類、ミクロ類、ブセファランドラ類、アヌビアス類)との相性は抜群です。また小さい枝流木同士の接着なども可能で、通常の接着剤に近い感覚で使用できます。手軽に、思い通りの箇所に水草をデザインして楽しめます。

1-2.動画で使い方を紹介

2.水草と流木を接着する

水草を流木に付ける際、糸を使って巻きつけるのが主流ですが、この技術は習得するのに多少の経験が必要ですし、時間もかかります。ゼリー状接着剤を使うと、まずこの作業時間を短縮することができます!
また水草を接着させた流木をいくつか組み合わせるだけで、かんたんにカッコいい水草水槽を組むことができます。ソイルを使わなくても「ちょっと見栄えのする水草水槽」が短時間でできあがります。

2-1.ワンポイントになる水草を流木に接着する

流木の全面にびっしり水草を並べるというわけではなく、流木の木肌を見せながら形に合わせて、ポイントとなる箇所へ水草を接着します。このようなワンポイントとして目を惹く水草は、代表的なものがいくつかあります。

<ワンポイントになる水草例>
ブセファランドラ 各種、ミクロソリウム各種、 アヌビアス各種、ボルビディス各種、ウィローモスなどコケの仲間各種、ニューラージパールグラス、リシアなど

ブセファランドラ
ミクロソリウム
アヌビアス
ウィローモス

接着すること自体は簡単ですが、接着する箇所によって大きく印象が変わるため、センスが問われる作業でもあります。コツとしては、まずサイズを合わせること。流木のサイズに合わせて、水草のサイズも調整できるとベストです。例えば細めの枝流木を使用する場合は、子株ミクロソリウムやアヌビアスナナ プチなどが合わせやすい場合が多いです。

流木で水草を接着する際、おすすめの箇所は、流木の節、枝分かれしている分岐点、先端のちょっと手前など。コケの場合は流木の先端部位に付けると自然な風合いがでる場合が多いようです。また実際の自然界を想像し、強い光を好む水草は光が当たりやすい箇所に、弱い光を好む水草は光が当たりにくい箇所に配置してみると、自然法則に沿ったセンスあるデザインになります。

2-2.水草を盆栽流木に接着する

最近は盆栽流木と呼ばれる、立ち木の形をしたものが登場しています。これに水草を接着していくと、落葉期だった立ち木が、青々とした緑樹になります。また赤系の水草を接着していくと、紅葉した樹木のように見えるかもしれません。水草の種類を変えるだけで色々な姿が楽しめます。また接着直後だけでなく、成長するにつれて葉っぱが増え、枝が見えなくなるほどこんもりとした木のようになるので、それもまた楽しみです。

<盆栽流木におすすめの水草例>
ウィローモスなどモス系の仲間各種、 パールグラス 、ルドウィジア スーパーレッド など

2-3.モスや前景水草を 小石や平たい石に接着する

たとえばウィーローモスといったモス系の水草などを小石に接着すれば、レイアウトの隙間埋めに使用できます。
この方法を使えば、水草を植えにくい場所、ソイルを敷きにくい場所でも、水草を手軽に配置することができます。

主に根から栄養を吸収する前景水草は、この方法には向きませんが、モス系以外にもリシアやニューラージパールグラスはおすすめです。特にリシアを接着した小石は、立ち上げ初期の水草水槽に入れておくと、水槽中の余分な養分を吸収してどんどん成長するので、水槽内のコケ発生を抑制するのに役立ちます。60cm水槽に3cm程度の小石3個分くらいで、ある程度の効果を発揮します。
伸びたら伸びた分だけカットすればOK。動かしやすい小石に接着しているため、水草水槽のろ過が立ち上がってコケの心配がなくなったら取り出すこともでき、レイアウトの完成時の邪魔になりません。
もちろん、レイアウトの一部として接着したリシアを敷き詰めるのも良いと思います。その際のポイントは、ちょっと重めの石に接着しておくことでしょうか。あまりに薄くて小さい石などの場合、リシアの浮力で浮いてしまう可能性があります。

また平たい石を積みあげたレイアウトに水草を接着する、というのもおすすめです。石斧石や黒斧石は平たく積み上げやすいので、「段々」のレイアウトを作成しやすく、所々にモス系やワンポイントになる水草を接着して自然な雰囲気をつくることができます。

2-4.番外編。マツモなどを石に接着する

マツモを石に接着させて水槽に入れれば、マツモがまっすぐに立った状態で観賞できます。浮力のあるマツモは、普通に接着しても外れやすいので、2つの小石で挟むと良いです。こうすることで、抜けにくくなるだけでなく、見た目も良くなります。

このマツモの接着方法ですが、マツモ2本くらいを、3〜4cmの小石でそっと挟んでその間をゼリー状接着剤で埋めるようにします。浮力があるため抜けやすいマツモですが、接着剤を少し多めくらいで、しっかり上の方も埋めるようにすれば抜けにくく、接着後もそのまま成長させることが可能です。
接着時は、2つの石を手で両側から挟んで押さえ、固まってきたらなるべく早めに水中へ入れるのもポイントです。多少接着部分が白くはなりますが、マツモが乾燥してしまうと良くないので、速やかに、かつ、そっと水へ入れましょう。マツモは茎が細く、傷つきやすくて折れやすいので、取り扱いには注意します。金魚などと一緒に入れる場合は、突かれて抜けることもありますが、メダカくらいのサイズの魚が少数であれば問題ないでしょう。

3.流木と流木、枝と枝を接着する

細いものであれば、流木や枝同士の接着にもゼリー状接着剤を使用できます。たとえば、枝流木に小枝を足して自分好みの枝ぶりにしてみたり、細い枝をたくさん使ってジャングル風レイアウトにしてみたり。また石の表面に細い枝を接着させると、まるで植物の根が張っているかのような景観を演出できます。

乾いた枝同士の接着の場合は、硬化まで時間がかかりやすいですが、しっかり乾燥させたほうが接着が強くなります。環境にもよりますが、接着作業から1日以上待ってから水に入れる(水を入れる)ことをお勧めします。

4.水中の流木・石にモスを接着する

水中の流木などに水草を接着することも可能です。
あらかじめ水草に接着剤を付けてから、水槽内の流木などに貼り付けます。流木や石をレイアウトし、水槽に水を張ってから全体のバランスを見ながら水草を配置していくことができます。

ウィローモスなどのモス系は、流木に糸で巻きつけ作業をしていた時間が短縮できます。流木の形の流れを見ながら、好きな場所へどんどん接着していくことができ、スピーディーです。また接着する水草に、ウィローモスのような水中で成長しやすい水草を使用すると、コケ発生が抑えられてレイアウト水槽が維持しやすくなります。

ニューラージパールもおすすめで、流木に沿って垂れるようなレイアウトを作ることができます。コツは、こんもりと盛るように付けることです。どうしても接着剤が付着した部分が枯れる傾向にあるので、厚みをもたせて貼り付けておくときれいに育ちます。

注意点

水中の流木や石へ接着すると、すぐに硬化が始まり接着箇所が白くなってしまうことが注意点です。これは、ゼリー状接着剤が水分と反応して硬化するタイプであるためで、どの色の接着剤も水中で使う場合は白濁します。
なお硬化後、白濁した部分を削り落とすことは可能です。多くの場合、水草が成長するにつれて、この部分は見えにくくなる場合がほとんどです。また接着時、接着箇所が硬化する前に小石や砂、砂利などを振り掛けて目立ちにくくする技もあります。玉砂利などは接着点周辺に貼り付けやすく、自然な風合いを演出しやすいです。

5.ゼリー状接着剤のラインナップ

ゼリー状接着剤は、色が3種あり、用途に合わせて選んでいただけます。


クリア

薄い色の流木や石に接着する場合はクリア。吸水石への接着などにも。
→ゼリー状接着剤の詳細は、カミハタWEBサイトへ

濃い色の流木や石に接着する場合は黒。石斧石、黒斧石や黒光石などにも。
→ゼリー状接着剤の詳細は、カミハタWEBサイトへ

茎に近い部分・水草同士の接着の場合などには緑。
テラリウム・苔玉・苔を貼り付けた吸水石など苔のある場所に接着する場合などには緑が重宝します。
→ゼリー状接着剤の詳細は、カミハタWEBサイトへ




石と石の接着の仕方
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