隠れた銘トカゲ マルモラータカメレオンイグアナ


 

マルモラータカメレオンイグアナ。精悍(せいかん)な顔つきのトカゲです。



マルモラータカメレオンイグアナとは?

マルモラータカメレオンイグアナ Polychrotidae marmorata とは、南米のベネズエラ、コロンビア、ガイアナ、ペルー、ブラジル、トリニダードなどに生息する全長50cmほどのアノール科のトカゲで、 別名をノギハラハガクレトカゲ、モンキーリザードとも呼ばれています。

以前はイグアナ科に分類されていましたが、現在はアノール科に分類されています。“アノール”といえば、沖縄や小笠原に帰化している特定外来生物のグリーンアノールを想像してしまうかもしれませんが、 本種はカメレオンイグアナ属(ハガクレトカゲ属)に分類されおり、ペットとして飼育ができます(ちなみに、同科に含まれるアノール属とノロプス属は全種が外来生物法により飼育不可です)。 カメレオンイグアナ属は現在7種が記載されていますが、本種以外が流通することはほとんどありません。

マルモラータカメレオンイグアナは、ややアンバランスな体型をしており、頭胴部は太短く、手足は短めで、尾は細長くて全長の約2/3を占め、枝などに巻きつけることができます。 なお、左右の目も本家カメレオンのようにそれぞれ別々に動かすこともできます。

ほぼ完全な樹上性で、野生下ではやや湿度の高い熱帯雨林に生息しており、あまり日差しの強くない午前中に活動し、夜間も外敵から身を守るため枝の上で眠っているのが観察されています。 食性は肉食中心の雑食で、昆虫などの小動物以外にも、花や果実などを食べることがあるそうです。

 

マルモラータカメレオンイグアナ。尾が長いのがわかります。

マルモラータカメレオンイグアナ。正面から見ると、頭部の大型鱗が目立ちます。

マルモラータカメレオンイグアナの背面。光沢のある鱗が絶妙な感覚で並んでいます。

マルモラータカメレオンイグアナの前脚。四肢は力強く、鋭い爪があります。

マルモラータカメレオンイグアナ。おっとりしていて、扱いやすいトカゲです。
 


マルモラータカメレオンイグアナの飼育方法

飼育ケージ

飼育ケージは高さがあり、蒸れに弱いので通気性の良いものを選びましょう。樹上性なので登れるように枝などでレイアウトし、なおかつ空中湿度を保つため、生きた観葉植物などでレイアウトすると良いでしょう。


飼育ケージ例。通気性が良く、高さのあるケージが良いでしょう。
ホットスポットは午前中に短時間のみ使用します。
 

温度&湿度

エキゾチックな外見をしていますが、あまり高温には強くないので、26℃〜28℃がよいでしょう。夏場の高温には注意が必要です。


生きた観葉植物を入れると、空中湿度を保ちやすくなり、トカゲも生き生きとします。
 

照明

マルモラータカメレオンイグアナは、あまり強い光は好まないようなので、爬虫類専用の蛍光灯タイプのものをメインに使用します。 ホットスポットなどは午前中の1〜2時間のみ照射すると、体を温めに来ることがあります。


マルモラータカメレオンイグアナ。あまり強い光は好まないようです。
 

エサ&水

エサにはコオロギやシルクワームなどの昆虫類を与えますが、マルモラータカメレオンイグアナは動きがおっとりしているので、コオロギなどは後脚を取り除くか、 ピンセットなどで直接与えるようにしましょう。慣れた個体はレオパゲルなどの人工飼料も食べるようになります。なお、トマトやイチゴなどの植物質のものも食べたという記録があります。

水場は常設しますが、念のため飲水は霧吹きで与えましょう。というのも、マルモラータカメレオンイグアナに限らず、樹上性のトカゲは植物などについた水滴を舐めるように飲むものが多く、 水場から直接飲むのが苦手な個体も多いからです。朝と夕の2回はしっかりと霧吹きをするようにしましょう。


観葉植物の葉に付いた水を舐め採るようにして水分を摂取します。
 

カメレオンイグアナ・・・もっと注目してほしいトカゲです

マルモラータカメレオンイグアナが初めて日本に輸入されたのは1980年頃かと思われます。当時は『カメレオン』の商品名の付くトカゲは他にも複数存在していましたが(例:グリーンアノールの別名はアメリカカメレオン)、本種はそれらの中でも特に奇妙なトカゲとして一部の愛好家から注目され 「アフリカ大陸に生息するカメレオンの収斂(しゅうれん)ではないか?」と話題になった事もあったそうですが、今日に至るまで、その知名度はいま一つです。さらに、90年代になり、より奇抜でカメレオンによく似た、『カメレオンモドキ』が輸入されました。こちらは短期間で人気種となりました。

前置きが長くなってしまいましたが、皆さん伝えたかった事は、カメレオンイグアナの仲間は他種にはない存在感があり、素晴らしいトカゲだ・・・ということです。しかしながら、後出のカメレオンモドキは各国で繁殖にも成功し、CBベビーがコンスタントに出回っていますが、 カメレオンイグアナは未だにWC(野生個体)ばかりで、流通量も多くありません(カメレオンモドキは原産国からの輸入が難しいというのもありますが)。こんなにもエキゾチックで、美しくて、素敵なトカゲなのに・・・。


同属のペルーカメレオンイグアナ(タテガミハガクレトカゲ)。
流通はほとんどありません。
 


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