砂漠の非常食?! タタールスナボア


 

タタールスナボア。派手さはありませんが、渋い魅力をもったヘビです。
・・・本種には、ちょっと不思議なエピソードがあります。



タタールスナボアとは?

タタールスナボア Erycinae tataricus とは、中国西部からカスピ海東沿岸までのタタール地方に含まれる乾燥地帯に生息する全長75cmほどのボア科のヘビで、別名をダッタンスナボアとも呼ばれています。 3亜種が記載されていますが、主に流通するのは基亜種 E.t.tataricus と思われます。ちなみに、タタール地方とは、北アジアのモンゴルからシベリア、中東ヨーロッパのリトアニアまでの幅広い地域を示し、日本では韃靼(だったん)という表記もあるそうです。

野性下での生態は不明な部分が多いですが、いわゆる砂だらけの砂漠のような環境ではなく、乾燥した草原地帯のような場所に多く生息し、ネズミの巣穴の中などで見つかることが多く、早朝や夕暮れなどの薄明薄暮時に活動するそうです。

 

タタールスナボアの頭部。口先には大きく頑丈な鱗が付いていて、
地中を進みやすくなっています。眼は小さいですが
・・・なかなか鋭い眼光をしていますね。

頭部の上に見えるのがタタールスナボア尾です。
丸くていきなり途切れたような形をしていますが、これが本来の形状です。

危険を感じると、頭部を胴部の下に隠して、尾を上部に持ち上げます。
おそらく、この太短い尾は、外敵に頭部と勘違いさせ混乱させるためのものでしょう。



タタールスナボアの飼育方法

情報は多くありませんが、飼育温度は27℃前後で問題なさそうです。さほど大きなヘビではありませんが、活動的な一面があるので、飼育ケージは大き目がよいでしょう。

飼育開始当初は床材に砂や小動物用の木屑などを敷いて潜れるようにして落ち着ける環境がよいですが、慣れてしまえば床材は新聞紙でも構いません(シェルターは必須です)。ケージの一部にホットスポットなどを設置すると、午前中はそこで暖まっている姿も観察できます。

餌は体のサイズに合ったマウスで問題無いようです。水もよく飲むので、水入れは常設しますが、ひっくり返されないよう重たいものを使用しましょう(ボア科は力が強いです)。

スナボアの仲間は、見た目以上にアクティブな種類で成長も早く、飼っていて楽しいヘビだと思います。


性質は様々で、初めから大人しいものや、神経質で執拗に咬みついてくるものまでいますが、
サイズが大きくないので、比較的扱いやすい仲間です・・・ただ、スナボアの仲間は顎の
力が強く、咬まれたらそれなりに痛いヘビだと思います。



タタールスナボアのトリビア

タタールスナボアには、ちょっと興味深いエピソードがあります。それはロシア革命時に、亡命者がこのヘビを唯一の食料源として、アジアの砂漠を横切り、生き延びた・・・という記録があるそうです。

ロシア革命では6600万人もの人々が粛清されたと言われています。現代日本に住む私には革命も、粛清も、亡命も、今ひとつ実感が沸きませんが、凄まじい時代だったということは想像に難くありません。 詳しいことはわかりませんが、生きるためにアジアの砂漠地帯を横切ることを決意した亡命者がいて、その人が過酷な環境の中、見つけることができた食料がタタールスナボアだった…ということでしょうか。恐ろしくも、不思議なエピソードです。


非常食にするには惜しい気もしますが・・・
タタールスナボアは人間の命を救ったことがあるようです。


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