擬態のプロフェッショナル コケガエル


 

コケガエル。知らない人には、カエルに見えないかもしれません。



コケガエルとは?

コケガエル Theloderma corticale とは、ベトナム北部に分布する(中国の一部とラオスにも分布している可能性があります)全長6cm〜8cmほどのアオガエル科コケガエル属(ツブハダキガエル属)に含まれるカエルで、 別名をベトナムコケガエル、英名では“Mossy frog”と呼ばれています。コケガエル属には26種が記載されており、7種類ほどがペットとして流通していますが、本種の流通量が最も多く、国内における繁殖例もあります。

コケガエルは非常に特異な形状のカエルで、体表にあるゴツゴツした突起は名前の通り地衣類に擬態していると考えられています。 その擬態能力の高さから野外での観察が難しく、生態はもちろんのこと、正確な分布域や生息状況など不明な部分が少なくありません。

コケガエルは野生下では夜行性で主に標高800m以上の多湿な森林に生息し、主に樹上性ではあるものの、長時間水中で活動する事もあり、昼間は渓流近くの樹洞や洞窟、岩の割れ目などに潜み、 夜間に膜網翅目や直翅目などの昆虫を捕食し、危険を感じると体をボールのように丸めて擬死をおこなう事がわかっています。

 

手足を丸めて擬死をおこなうコケガエルの幼体。
 



飼育方法

飼育ケージ

飼育ケージは高さがあり、通気性の良いものを選びましょう。樹上性なので登れるよう枝などでレイアウトし、ポトスなど葉の大きな観葉植物も設置すればカエルの隠れ家になります。床材には水苔など湿度を保てる物がよいでしょう。

夜行性なので強い光源は必要ありません。蛍光灯タイプの物を使用すると良いでしょう。日中はほとんど動きませんが夜間は活発になり、よく水にも入るので、大きめの水場を設置します。

エキゾチックな見た目をしていますが、さほど高温は好まないようなので、温度は25℃〜28℃前後に設定します。


生きた観葉植物を設置することで、空中湿度を保ち、
カエルに隠れ家も提供できます。
 

管理&エサ

非常に強健で飼いやすい種類です。乾燥に注意し、毎日夜間に霧吹きをおこない、日中カエルが寝ているときに、水替えや掃除をしましょう。

エサはコオロギやデュビアなど何でも食べますが、食べきれなかったコオロギがカエルを傷つける可能性もあるので、注意しましょう。水中で糞をする個体も多いので、水は毎日取り替えるようにします。


葉の上で休むコケガエル。
大型のカエルですが、動きは比較的ゆっくりです。
 

コケガエルの仲間たち

過去に流通例のある代表的なコケガエル属を紹介します。どれもユニークでエキゾチックなカエルたちです。


マレーコケガエル Theloderma leporosum

 

別名をマレーツブハダキガエル。インドネシア、マレーシアに分布し、コケガエル同様に大型で全長8cmほどに成長します。本種は苔というよりも木の皮に擬態しているようです。


タイコケガエル Theloderma horridum

 

別名をホリダムツブハダキガエル。タイ、マレーシア、インドネシアに分布し、コケガエルに比べると小さく、全長4cm〜5cmほどです。本種も木の皮に擬態しているようです。


アスペルムコケガエル Theloderma asperum

 

別名にキハダガエル、キンメツブキハダガエル、パンダガエルなどがあります。中国、インドシナ、マレー半島に分布します。白と黒のグラデーションが美しく、全長3cmほどの小型種ながら、なかなか存在感のあるカエルです。本種は鳥の糞に擬態しているという説もあります。



最高のツリーフロッグ

コケガエルはルックス、飼育難易度、生態…どれをとっても素晴らしいカエルです。個人的には、アジアのツリーフロッグの最高峰だと思います(ちなみにオセアニアならイエアメガエル。北米ならホエアマガエル。南米ならカンムリアマガエル。アフリカならウルグルオオクサガエルです)。 さらに喜ばしいことに、国内外でも繁殖されており、比較的安定した流通があります。初めてカエルを飼う方にはもちろんのこと、熱心な愛好家まで満足できるカエルだと思います。


日中はほとんど動きません。夜間にこっそり覗いてニンマリしましょう。
 


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