マダガスカルの宝石 アカメイロメガエル


 

大きく、特徴的な色彩のアカメイロメガエル。



アカメイロメガエルとは?

アカメイロメガエルとは、マダガスカル東部に広く分布しており、マダガスカルカエル科イロメガエル属に分類される、翡翠と紅玉をあわせたような美麗種です。2000年以降にペットトレードへ登場した、大変人気の高い種類です。

 

繊細ながらもインパクトのある、芸術的なカエルですね。
 

アカメイロメガエルの特徴

野生下では比較的湿度のある森林に生息しており、雄が約4cm、雌が約5cmと、雌のほうがやや大きくなるカエルです。 体表は滑らかで透明感のあるマスカットグリーンで、名前の通り目を開くと鮮やかな赤い色彩が目立ちます。この特徴的な色彩は、ある種の警戒色ではないかと考えられています。

日本に輸入される時期は10月〜2月が多く、これは野生下での繁殖期に一致します。おそらく繁殖のために集まってきた個体が採集されているのでしょう。


国内への輸入は秋〜冬が多いです。
 


飼育方法

飼育環境

実は、アカメイロメガエルの飼育方法はまだ確立されていません。判っている範囲で説明します。

アカメイロメガエルはさほど皮膚の強いカエルではなく、壁面にぶつけて怪我をしてしまうこともあるので(その際、緑色の体液が流れることもあります)、 大きめのケージで飼育したほうが良いでしょう。また、イロメガエルの仲間は病気にも非常に弱いので、ケージ内は常に清潔に保ち、他のカエルと同居させるのは控えましょう。

床材には湿らせた水苔などを敷き、水入れも大きなものを設置します。雄が夜間に水に浸かって鳴いていることもあります。また、樹上性傾向が強いので、ポトスなど生きた観賞植物をケージ内に設置するとよいでしょう。 アカメイロメガエル自体は夜行性ですが、昼夜の差をつけるため、また植物の育成のため、熱帯魚用の蛍光灯を設置しましょう。なお、日中のアカメイロメガエルは目を閉じて眠っているのが普通です。

飼育温度に関してですが、あまり高温は好まないようなので、26℃前後が良いと思います。


エサ

エサにはコオロギやレッドローチなど昆虫を使用しますが、アカメイロメガエルが一口で無理なく食べられるサイズが良いでしょう。 なお、イロメガエルの仲間は比較的食が細いので、2日に一度くらいのペースで少量ずつ給餌すればよいと思います。なお、食べ残したコオロギなどは必ず取り除くようにしましょう。


飼育はやや難しい

マダガスカルは恐竜の時代から孤立していた場所であり、多くの生物が独自の進化を続けてきました。 イロメガエルの仲間もその一つです(イロメガエルの仲間は、かつてはアオガエル科に分類されていましたが、特殊化が進んでいることから、独立した科を持つことになりました)。

特殊化した生物は、特殊な生態を持つことが知られており、それは飼育難易度にも比例する場合が多いです。アカメイロメガエルも、大変人気の高いカエルではありますが、飼育はやや難しいというのが正直なところです。



イロメガエルとの出会い

私事になりますが、アカメイロメガエルを初めて見たとき「緑と赤と白(お腹の色)!まるでマダガスカルの国旗みたい!!きっと大人気になるぞ」と思ったものです。事実、数年後にはマダガスカル便の定番アイテムとして人気を博し、多くのお客様に喜んでいただきました・・・ が、その後「飼育方法がわからない」「すぐに死んでしまった」という声が多く聞かれたのも事実です。私は現地に連絡し、輸送方法の改善を伝え、自分でもマダガスカルへ視察に行きました。結果として状態の良い個体を入荷できるようになり、長期飼育例もそれなりに聞かれるようになりましたが、 やはり飼育そのものにはややクセのある種類だと思います。マダガスカルのカエルは現在、森林伐採や外国より持ち込まれた病原菌などにより減少しているそうです。

両生類を巡る問題は数多くありますが・・・いつの日か、熱心な愛好家の努力により、国産の彼らに会える日が来ると信じたいです(私もがんばります)。


イロメガエルの飼育はちょっと難しいものが多い…様な気がします。
 


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