メダカは、ここ数年でたくさんの新品種が誕生し、さらに今も増え続けています。
このような新品種を中心としたメダカは、主に“変わりメダカ”と呼ばれています。
2022 追加品種
近年、次々と登場している新品種のメダカたちは、もとは白メダカや青メダカなど、
変わりメダカの中でも基本とされるメダカが元になって生まれてきています。
それは、長期間かけて累代繁殖され、様々な過程を経てできてきた品種なのです。
その一部を、系統図に表してみました。
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- 黒メダカ
- 原種メダカから突然変異によって生まれた緋メダカ、この緋メダカから産まれた子ども達が先祖返りした個体を黒メダカと呼ぶ。原種メダカに近い色をしてはいるが、れっきとした変わりメダカである。水鉢などで飼うとノスタルジーを感じさせてくれる。
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- 琥珀メダカ
- 黒メダカの中から体色が琥珀色に変わる個体を選抜育種して固定されたメダカ。楊貴妃メダカの祖となったメダカで、この種が誕生しなければ、楊貴妃メダカはもちろん、三色も紅白も誕生しなかった。最上級まで色が揚がった個体は本当に深みのある色味となる。
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- 楊貴妃
- 琥珀メダカからの育種によって作出されたメダカ。様々な朱赤系メダカの祖であり、現存する三色や紅白のメダカもこの品種の誕生なくしては生まれることが無かった。成長するにつれて緋が濃くなり、しっかりと飼い込まれた個体はその名の通り傾国の美貌をもつ。
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- 初恋
- 楊貴妃メダカのだるま体型品種。全身をめいっぱい使って泳ぎ回る姿がとても可愛らしい。可愛らしい姿になっても楊貴妃メダカの美しさを兼ね備えており、成長するにつれて大変美しい体色になる。低水温や強い水流に弱いため、飼育にはひと工夫が必要。
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- 楊貴妃透明鱗(紅)
- 楊貴妃メダカに透明鱗メダカを交配させて作出されたメダカ。普通体型・ヒカリ体型など複数のバリエーションがあり、それぞれの系統によって紅・篤姫など名前が付けられている。多くの三色・紅白メダカの祖となったメダカ。
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- 紅龍
- 楊貴妃透明鱗メダカ(紅)からの選抜育種により固定・作出されたメダカ。鱗に赤銅色の縁取りが現れ、規則的な模様を描くことが特長。楊貴妃の血を受け継いでいることもあり、成長するにつれて朱赤色が濃くなっていく。色揚りを楽しみたい品種のひとつ。
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- 赤頭龍黒
- 楊貴妃透明鱗メダカ(紅)からの選抜育種により固定・作出されたメダカ。成長するにつれて朱に変わっていく頭部と、墨に縁取られた鱗(ブラックリム系統)が特長。しっかりと墨が乗ると、この鱗は龍鱗を髣髴とさせることからこの名がついた。黒い容器や青水での飼育がオススメ。
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- 錦龍三色
- 楊貴妃透明鱗メダカ(紅)からの選抜育種により固定・作出されたメダカ。透明鱗性の三色メダカで、緋がよりくっきりと鮮やかに現れる。稚魚の段階から色揚りの良い個体のみを選抜して育種が重ねられてきたため、色揚りの早さも特長の1つ。墨を際立たせるために、黒い容器で飼育するのがオススメ。
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- 錦龍紅白
- 楊貴妃透明鱗メダカ(紅)からの選抜育種により固定・作出されたメダカ。透明鱗性の紅白メダカで、緋がよりくっきりと鮮やかに現れる。錦鯉のように、紅と白の際(境目)がはっきり現れることが特長。錦龍三色同様の選抜育種を行っており、色揚りを楽しみながら飼育したい。
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- 銀かむろ
- 錦龍三色からの選抜育種により固定・作出されたメダカ。身体の透明感をより引き出すために、独自の育種を行って生み出された。腹膜の金属光沢がとても美しく、これは個体差・飼育環境により赤・オレンジ・ピンク・緑など七色に変化する。
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- 紅かむろ
- 銀かむろに緋を乗せるために錦龍三色との戻し交配を経て固定・作出されたメダカ。頭部にピンポイントに現れる緋が特長で、完全に色の揚った個体は、錦鯉や金魚の丹頂を思わせるような体色になる。稀に体表に墨が乗る個体も存在するため、繁殖させても楽しい品種。
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- 祝(HAFURI)
- 紅帝からの育種にて作出された新たな紅白メダカ。透明鱗紅白とも非透明鱗紅白ともルーツが異なり、緋の際(きわ)がより強調されることと、様々な紅白模様が現れることが特長。ぜひとも上見からこれらの魅力を存分に堪能してもらいたい品種。紅帝由来の緋の強さもまた、美しさを際立たせてくれる。
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- パンダメダカ
- その名の通り、目のまわりがパンダのように黒く、かわいらしいメダカ。これは目のまわりの虹色素胞が欠乏しているため、このような表現になっている。『パンダ目』の形質はここ最近のメダカ育種において大変重宝されており、もはやただ可愛いだけのメダカではないだろう。
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- 幹之メダカ スーパー
- 多くを語る必要はない。なぜなら、その姿を一目見れば、誰しもが魅了されて止まないから。変わりメダカ史上、最も劇的な進化を遂げたメダカといっても過言ではないだろう。このメダカがいたからこそ、現在のブームが巻き起こり、そして新たな進化が生まれた。これからも注目し続けたいメダカ。
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- 流星
- 幹之メダカの背ビレ無し体型品種。幹之メダカと背ビレ無しメダカ(らんちゅうメダカ)の交配によって作出された。背中を走る体外光が背ビレで途切れず、一筋の流星のように見えることからこの名が付けられた。黒い容器で上見を楽しみたい。
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- オーロラ幹之
- 幹之メダカの体表の色素胞の多くが欠乏した品種。そのため、からだが透き通って見え、頭部は淡いピンク色に見える。このメダカの登場によって様々な新品種メダカが世に現れるようになった。最先端のメダカ育種を目指すには絶対には欠かせない存在。
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- スーパーブラック
- 青メダカからの育種により固定・作出されたメダカ。黒メダカの黒とは異なる漆黒の体色をもっている。幹之メダカや楊貴妃メダカなどと並び、メダカブームのきっかけとなった。白い容器では、せっかくの体色が褪せてしまうので、黒い容器で飼育する。
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- 黒龍、黒揚羽など
- スーパーブラックに透明鱗遺伝子を組み込むことで作出されたメダカ。普通鱗ではなくなったことで、常に体色の黒が発現するようになった。黒龍・黒蜂・黒揚羽など様々な新世代ブラック品種が作出されており、好みに合せて楽しめる系統だ。
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- 黒蜂
- ブラック系メダカの一品種で、ヒレが黄色く染まることが特長。黒龍と同じく、透明鱗性のブラック系メダカである。2018年現在となっては当たり前のようになってきた黒と黄色(赤色)の美しいコントラストを体色にもつメダカだが、この黒蜂の登場によってその可能性が発掘されたことは紛れも無い事実である
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- 全身体内光(幹之体内光)
- 淡い緑色の体内光が全身におよぶ幹之体内光メダカの派生品種。幹之メダカの変異個体として現れた幹之体内光の選別育種をおこない、特徴である体内光を全身に伸ばしていったものである。緑光や新緑光に代表される新しい色味をもつメダカには、この体内光がもつ形質が大変重要な要素として機能している。今後もその進化から目が離せない。
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- 金鱗龍
- クリアブラウンメダカのヒカリ体型品種を金鱗龍と呼んでいる。鱗を黒く縁取る、クリアブラウン由来の『ブラックリム形質』がこのメダカにも色濃く現れるため、ヒカリメダカ特有のグアニン光と相まって、ときに非常に美しい姿を見せる。ブラックリム形質を有するヒカリメダカ作出のための種親としても重要な品種である。
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- 紅薊
- クリアブラウンメダカの血統をもつ品種のひとつである。一般的な紅薊は、からだ全体が朱赤色に覆われ、その上にブラックリム形質による黒斑が現れる。この紅薊の赤と黒のコントラストは、数あるクリアブラウン系メダカの中でも特に美しい。オリジナル個体から派生した、よりコントラストが際立つ紅薊なども誕生しており、その魅力は今後ますます高まるだろう。
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- 乙姫
- クリアブラウンメダカに紅(楊貴妃透明鱗ヒカリメダカ)を交配させて作出されたメダカ。紅由来の朱赤色の体色と、ヒカリ体型が特長。朱赤色の体色・ブラックリム形質による黒斑・ヒカリメダカのグアニン光。これらの3要素が揃った個体は大変美しい。上見でも横見でも楽しめる品種である。
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- 白姫(はくひめ)
- 乙姫の生産過程で現れた、白勝ちの個体を選抜育種して作出されたメダカ。体色が白くなったため、ブラックリムの乗り方がより強調され、本家乙姫に勝るとも劣らない美しさを見せてくれる。白姫を種親とする育種にも期待がもたれ、白を基調とした体色にアレンジを加えることも出来るかも知れない。今後の進化から目が離せない。
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- オロチ
- 白い容器・透明な容器に入れると黒い色が褪色してしまうという、ブラック系メダカの弱点を克服した品種。これまでブラック系のメダカで最も問題視されてきたことが、このメダカの登場によって解決された。しかし、なぜ色が周囲の環境に関わらず漆黒を維持するのか、その機序ははっきりとは分かっていない。今後の進化にも注目したいメダカである。
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- 緑光
- 2017年、淡い緑色の体色を持った『緑光』『新緑光』などのメダカがリリースされた。全身体内光や百式などの体内光をもつメダカと幹之メダカの交配によって作出された品種である。原種のメダカが持つ本来の褐色の体色に幹之などがもつ青い体色が加わることで、緑色を発現するようになったと言われている。今後、この緑色の体色がどのように変化するのか、楽しみである。
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- 百式
- 透明鱗性の幹之メダカ作出の過程で現れたメダカで、面白い特長を備えている。百式という名前は、体内光・内膜光(腹膜上の光)・体表に点在する虹色素胞の光が、百通りの色味を表現するということで名付けられた。透き通ったからだと、その光を観賞したいメダカである。
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- 五式
- 黒と赤の競演を実現させた新世代型のブラック系メダカ。体色はオロチのように真っ黒だが、各ヒレが赤みを帯びることが特長である。黒蜂メダカに栗神メダカや朱赤透明鱗メダカなどを交配させた後、さらに複数回交配を行って作出された。今後のメダカを語るためには欠くことができないメダカに違いない。
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- 黒百式
- 2017年、百式からの育種を経てリリースされたメダカ。百式の体内に黒色素が散在して、全身が黒っぽく見える品種である。体内に黒色素が存在しているためか、この黒百式の『黒』は三色などのメダカに比べて色が飛びにくく、水槽でも見栄えが良い。全身に黒が及ぶような黒百式の誕生が待ち遠しい。
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- 黄幹之
- その名の通り、黄色の体色をもった幹之メダカ。黄色素が入る幹之メダカは現れないという通説を覆したメダカである。オーロラの血統を受け継いでいるため、体外光と黄色体色の共存が可能になった。作出当初は、まさに黄色がかった幹之メダカであったが、黄色は徐々に赤色へと進化してきている。楊貴妃に体外光が乗ったような、目の覚めるような赤色をした黄幹之の誕生もそう遠くないのかも知れない。
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- 灯
- 幹之メダカとクリアブラウンの交配によって作出されたメダカ。幹之メダカをベースとした体色の上にうっすらと黄色が乗ることが特長。体外光もしっかり乗ってくるため、とても美しい品種である。カラーバリエーションに富み、コレクション性があることも特長のひとつ。また、他品種に体外光を乗せるための種親としても重宝されている。
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- 夜桜
- オーロラ幹之メダカの交配によって作出された、いわゆる新世代型メダカ。オーロラ幹之にラメ光を入れる方向で交配が進められ、完成したメダカである。オーロラ幹之由来の頭部のピンク色が、ブラックリム形質の墨の中で輝く様が『夜桜』を彷彿とさせるためこの名が付けられたという。しかし、その表現型はバリエーションに富んでおり、写真のような黄色素を多く発現している個体や、淡いピンク色を呈する個体など多岐に渡る。
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- 女雛
- オーロラ幹之メダカの交配によって作出された、いわゆる新世代型メダカ。柿色と呼ばれる緋とブラックリム形質の墨が特長である。交配によって得られた仔の中から黄色素胞をもつ個体を累代飼育し、前述の柿色を手に入れた。稀にオーロラ幹之由来の体外光をもつ個体も出現する。そのような個体は異種交配の親として大事に育てたい。余談ではあるが、2017年にメダカ界の注目を一身に集めた『煌』は女雛と夜桜の交配によって作出されたメダカである。
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- 煌
- 夜桜と女雛を交配し、複数回の累代飼育を重ねて生み出されたのが煌である。2017年にリリースされたこのメダカは、当時としてはセンセーショナルすぎるものであった。というのも、しっかりとした体外光をもちながら、柿色と呼ばれる緋も乗っている。これはそれまでのメダカ通説を覆すものであったためだ。煌の登場後、様々な品種に体外光を乗せるという動きがより活発になり、現在、煌をルーツとする多くのメダカが誕生している。
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- 雷電
- 一見するとヒカリ体型の幹之メダカのように見えるが、細部までじっくりと鑑賞してもらいたい。まず、頭部にしっかりと乗った体外光、これを頭光と呼ぶ。次に横見、ヒレにしっかりと幹之由来の金属光沢(ヒレ光)が乗っている。この頭光とヒレ光をもった幹之ヒカリ体型を特に雷電と呼ぶのである。
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- アルビノ雷電
- 雷電の生産過程で現れたアルビノ個体を選抜育種して作出した品種。アルビノ化したことによって、からだ全体が白みがかり、より透明感を感じさせるメダカへと仕上がった。体外光やヒレ光の美しさは健在。アルビノであるため、新たな柄を作り出す際の種親としても活躍しそうなメダカである。
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- 神電
- 雷電(幹之ヒカリ体型・頭光&ヒレ光)を累代飼育する過程で誕生した胸ビレにまでヒレ光が乗る個体。この胸ビレ光がヒレ全体まで及ぶようになった個体を育種・固定し、雷電の後継品種、『神電(しんでん)』としてリリース。観賞のためにも、育種のためにも、ぜひ手に入れておきたい品種。
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- 女雛ダルマ
- その名の通り、女雛メダカのダルマ体型品種。寸詰まった体型からはとても可愛らしい印象を受ける。やはり、遊泳力や低水温耐性などは、普通体型のメダカに比べて低いため、飼育に気をつけてあげたい。黒い容器での上見飼育がオススメ。また、複数の女雛ダルマを泳がせると可愛さがひとしおである。
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- クリアブラウンラメスワロー
- ラメの輝きとクリアブラウン由来のブラックリムの共演が魅力のクリアブラウンラメメダカ。本種は、そのスワロー体型品種。クリアブラウンラメメダカの体色や特長をしっかりと受け継いだメダカである。注目は、伸長したヒレにまで特有の琥珀色が乗っているところ。上見でも横見でも楽しめる品種。
突然変異で現れたヒレ全体が大きく伸長するメダカ。熊本県の松井養魚場にて作出されたため、この名がついた。
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- 松井ヒレ長
- 熊本県松井養魚場にて育種されたため、広くこの名で呼ばれるようになった。背ビレ・胸ビレ・しりビレ・尾ビレそれぞれが相似形を描くように伸長することが特長である。完全体となったこのメダカが泳ぐ姿は、とてもメダカとは思えないほど優雅。
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- 天女の舞
- 松井ヒレ長メダカの特長をもつラメ幹之メダカ。伸長したヒレに幹之メダカ由来の青い金属光沢が入るため、他のメダカでは見られない美しさをもつ。泳ぐたびにヒレが水になびき、その美しさをより一層際立たせる。上見でも横見でも楽しめるメダカ。
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- 透明鱗三色・紅白系松井ヒレ長
- その名の通り、透明鱗三色・紅白の特長を有する松井ヒレ長メダカ。2018年現在、松井ヒレ長メダカのバリエーションは多岐に渡っているが、意外にもしっかりと三色・紅白メダカの特長が発現している松井ヒレ長メダカは少なく、多くのメダカ愛好家がこぞって育種に取り組んでいる品種でもある。
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- 天鳳
- 天女の舞がもつ美しさをさらに極めたいという背景から育種が行われ、作出されたメダカ。ヒカリ体型となったことで、背ビレ・しりビレの両方がしっかりと伸長するとともに、尾ビレはハート型のダブルテールとなることが特長。また、鉄仮面幹之のように頭部にしっかりと体外光が乗ることも魅力のひとつで、ヒカリ体型由来のグアニン光やラメもその美しさを際立たせている。
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- サタン
- オロチメダカを「松井ヒレ長」化させた品種。極上の個体は、伸長したヒレ先まで全てが漆黒となり、そのヒレがなびく姿は最早メダカとは別の魚とさえ思わせるほどである。オロチの血を受け継いでいるため、どのような環境でも体色を維持することができる。ぜひ、横見でその美しさを観賞して頂きたい。
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- ブラックキング
- 黒蜂メダカと松井ヒレ長メダカの交配によって作出された品種。全身真っ黒のタイプや、ヒレに黄色が乗るタイプの個体が存在する。白い容器や透明な容器で飼育しても体色が色あせにくいため、松井ヒレ長形質の特長を存分に味わうことができる横見での飼育がオススメ。
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- 松井ヒレ長半ダルマ
- 寸詰まった体型と伸長したヒレ。一瞬、その体型には似つかわしくないと錯覚をしてしまいそうだが、よくよく見るとそのアンバランスさが何とも言えない魅力のメダカ。遊泳力や低水温耐性などは、普通体型のメダカに比べて低いため、飼育に気をつけてあげたい。また、複数の松井ヒレ長半ダルマを泳がせると可愛さがひとしおである。
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- 松井ヒレ長三色ラメ
- 松井ヒレ長メダカの三色ラメ化に成功した品種。透明鱗性三色松井ヒレ長に白斑ラメ松井ヒレ長を交配させ、累代飼育することで作出されたメダカ。ヒレの伸長だけでなく、しっかりとした三色を表現していることも特長。このメダカを祖として、さらにここから三色・紅白系松井ヒレ長の進化に期待がもたれる。
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- ファントム
- オロチとブラックキングの交配により作出された品種。このメダカ、ヒレ長の新たな可能性を感じさせる。松井ヒレ長ともスワローとも異なるヒレの伸長を見せるのだ。例えるなら、ベタのクラウンテール。今後、さらに育種が重ねられれば、ヒレ長メダカの新たな扉を開くことが出来るかも知れない。進化にご注目あれ。
2016年夏以降、メダカ市場を席巻している系統のひとつ。鱗の一枚一枚に虹色素胞がより強く発現するメダカで、金魚・鯉などでいう銀鱗に近い。ラメメダカの元祖としては青ラメメダカやラメ幹之メダカが有名である。選抜育種を重ねることでラメをより強くすることが可能である。
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- 黒ラメメダカ
- 黒い身体に映えるカラフルなラメ光が特長のメダカ。それまでのラメの常識を覆す、七色にきらめくラメは変わりメダカ界に衝撃を与えた。この品種の登場によりラメメダカ旋風が巻き起こり、様々なラメメダカが作出されたことは記憶に新しい。黒い容器で飼育するのがオススメ。
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- 琥珀ラメメダカ
- 琥珀体色に七色のラメ光が乗った美しいメダカ。琥珀メダカの血を受け継いでいることで、成長するにつれて深みのある体色に変わっていく。全ての色素胞をもっているため、新たなラメメダカ作出の親としても活躍できる。黒い容器でじっくり飼い込むと、琥珀体色がさらに際立つ。
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- 三色ラメ
- 紅・白・墨という三色の体色をもち、そこにラメが乗ったラメメダカ系品種のひとつ。作出されてまだ2年ほどの比較的新しい品種である。三色メダカにラメが加わることで、その鮮やかさが増した。黒い容器で飼育すると、紅・白・墨・ラメそれぞれの美しさが際立つ。
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- 紅白ラメ
- 紅白メダカにラメが乗るタイプのメダカ。紅白の体色とラメ光はとても相性がよく、紅白をより際立たせて見せてくれる。三色ラメメダカ同様に、飼い込むほど紅色が揚がっていくとともに、ラメも輝きを増すようになる。黒い容器で飼い込んで、上見で楽しみたい品種。
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- ブラックダイヤ
- オロチメダカ進化品種のひとつで、漆黒のからだにラメが乗るメダカ。オロチに青ラメ形質を組み込み、育種を重ねることで、この形質を獲得した。成長するに伴い、ラメの輝きはより美しくなるため、じっくりと飼い込んで育てたい品種。今後もその進化に期待がもたれるメダカである。
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- 深海
- 青緑色の体内光をもつ幹之メダカから、体外光を取り除く累代をおこない固定された品種。体外光がなくなったことで、内臓を包む内膜の輝きがより目立つ姿に仕上げられている。透明感のある体に包まれた深みのある青緑色は、神秘的かつ涼しげな印象を受ける。白い容器に入れると保護色によって体表の黒色素胞の割合が減るため、体内の青緑色が非常に美しく際立つ。その魅力を存分に堪能するにはぜひ、白い容器での観賞をオススメしたい品種。
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- 鱗光
- 幹之のようなベタ塗りの体外光とは異なり、鱗一枚一枚が光る網目状の体外光をもつことから鱗血統と呼ばれる。更にヒレ光が強いことも特徴の一つで、ロングフィン血統も入っているため、中には軟条が伸びロングフィンになる個体もいる。上から観賞するも良し、横から観賞するも良しなメダカである。
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- 紅白ラメ体外光
- 紅白柄の模様にラメ、更に体外光が乗っているメダカ。錦鯉でも人気の高い紅白柄は日本人に好まれ、メダカにおいても人気がある。黒い容器では、保護色によって緋がより強く引き出され、ラメ・体外光も一層輝いて見える。紅白模様は個体によって実に様々な表現があるので、思い思いに楽しめる品種。好みに合う模様のメダカを探してみてはいかがだろうか。
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- 清流きりゅう
- 黒百式のような体内光メダカで黒味のある個体を累代させて作られた品種。体内の黒色に加え腹部に側面光が乗っており、個体差はあるものの腹部の銀色と尾部にかけての黒色のコントラストがはっきりしている個体はとても美しい。
体内に滲むような黒色は白い容器でとても良く映える。逆に体外光メインで観賞したい場合は黒い容器で飼育すると良い。背景で楽しみ方が異なるのも面白い品種である。
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- サファイア
- 通称、黒ラメ幹之サファイア系。黒ラメ幹之メダカのラメの色が青く見えるメダカを選別し、青ラメになるように累代をおこない誕生させた品種。黒ラメ幹之は青色やオレンジ色、金色、ピンク色など様々な色のラメが同時に発現するのに対し、サファイアはほとんどのラメが青色に輝いているのが特徴。また比較的ラメが密に集まっており、個体によってはラメがつぶれたようになり、体外光のように青白く輝いて見える。
黒い体色に輝く単色の青いラメ光は、まるで宝石を眺めているかのように美しく見惚れてしまうほど。
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- モルフォ(ロングフィン)
- モルフォは全ての鰭が強い輝青色に覆われ、特に尾鰭の外縁部分が鋸歯状(ノコギリの歯のような形状)になっているのが特徴。この特徴にロングフィンの表現が掛け合わさり背鰭、尻鰭の軟条が伸長する。その鰭は他のロングフィン品種とは異なり、伸長したヒレの軟条部分が分岐し、そこにグアニンが集まることで白くフサフサした表現になる。まさにモルフォとロングフィンの融合によって生み出された品種である。
上グレードの個体は鰭の半分程がフサフサになり、横から見ると優雅な泳ぎに魅了される。最近では鱗光ロングフィンとモルフォを累代させて作られたマリアージュロングフィンが人気を集めている。
実際に育種をおこなっている現場スタッフが、
あの変わりメダカに辿り着くまでの道のりを公開。
【紅から錦龍三色へ】 紅のF1を採ったとき、その中に緋と白地と黒色素胞のバランスがよい個体が、わずかに現れた。 これを選抜育種すれば三色メダカになるのではないかと考えたことが三色メダカ作出のきっかけである。 しかし、この個体は、約200匹中わずか5匹。さらにF2では目標としないメダカが9割以上を占めた。 それでも累代飼育を重ね、ある程度の固定率が得られるようになったのはF6からであった。 そこから、思い描く緋と墨の乗り方を追求するために、更に代を重ね、現在はF11。 このメダカ、あなたの下ではどう進化するのだろうか。
【錦龍三色から錦龍紅白へ】 錦龍三色を育種していくプロセスで稀に現れたのが、墨が全く入らない紅白メダカである。 もちろん、紅にも墨は入らないのだが、紅とは緋の入り方が全く違うメダカだった。 これらを紅白作出のための親として確保し、育種をおこなっていったが、三色以上にその道は険しかった。 どうしても墨が乗った個体が出てしまう。 その率、F2ではほぼ全て、F5でも半数に及んだ。 現在、錦龍紅白としての累代もまたF11、墨は消えた。 純粋な紅白のコントラストを存分に楽しんでもらいたい。
錦龍三色の固定率がある程度の数値になってきたとき、この透明鱗系三色の透明鱗をさらに追求したらどうなるのかと思考にふけっていた。 当時、透明鱗のメダカはまだまだ少なく透明鱗の求道こそメダカの歩む道と考えたためだ。 そこで、シースルーアルビノという大半の色素胞が欠乏した品種を、錦龍三色と交配させたのである。 結果として生まれたのが銀かむろと紅かむろ。これらのメダカは表皮・真皮の色素胞が少なくなったため、腹膜などの金属光沢が際立ち、他の透明鱗性のメダカとは一線を画すメダカとなった。 ディテールまで話をするならば、錦龍三色とシースルーアルビノの異種交配では、黄色素胞による緋が飛んでしまう個体が多く現れたため、銀かむろしかできなかった。 どうしてもこの系統に緋を乗せたかったため、銀かむろと錦龍三色の戻し交配をおこない、現れたのが紅かむろである。どちらも一文で表したが、かなりの交配を重ねたことも追記しておく。 系統としては最近話題となっているオーロラ幹之系統に近いものがある。 そのため、現在はオーロラ幹之系統との異種交配にて新品種作出に取り組んでいるところである。
スーパーブラックにパンダメダカなどの透明鱗形質を組み込む。 この育種により黒龍や黒蜂、黒揚羽などの第二世代型ブラックメダカが誕生した。 スーパーブラックなどのいわゆる普通鱗タイプの第一世代型ブラックメダカにおいて、どうしてもついてまわった問題、それが『白とび』である。 第一世代型ブラックメダカを白や透明の容器で飼育すると、黒色素胞が凝集してしまうため、せっかくの魅力的な黒体色が失われてしまっていた。 これに対し、冒頭で紹介した第二世代型ブラックメダカは、同様の環境でも白とびが起こりにくいという特長を手に入れた。 パンダメダカの透明鱗形質を獲得したことで、虹色素胞が欠乏し、黒色素胞の凝集・分散に影響が出たという説が有力であるが、はっきりとした機序は明らかになっていない。 現在は、オロチメダカというさらに白とびしない第三世代型ブラックメダカが世に現れ、ブラックメダカの世界はますます奥深くなっている。
ヒレ全体が相似形を描くように伸長する、松井ヒレ長メダカ。 熊本県長洲町、福岡県大牟田市を中心として育種・固定されたメダカである。 この血統のメダカを最初に発見した松井養魚場の名を冠している。 これまでに様々なメダカの進化が確認されてきたが、その中でもとりわけこの松井ヒレ長系統の出現は革新的なものであるように思える。 もともとの松井ヒレ長メダカはパンダ形質をもつメダカであったが、ここに幹之メダカやラメ幹之メダカなどを交配し、累代飼育を重ねて作出されたのが天女の舞である。 天女の舞は、幹之メダカ由来の体外光とラメ幹之メダカ由来のラメ光、そして松井ヒレ長メダカ由来のヒレを兼ね備えたメダカである。 さらに、松井ヒレ長に幹之の形質が組み込まれたことで、その特徴的なヒレに青い金属光沢が現れる。 そのヒレが水になびく姿は、天女が纏うといわれる羽衣のようである。 ここで松井ヒレ長メダカの遺伝的な話をしよう。松井ヒレ長メダカなどのヒレ長形質は、遺伝的に劣性であり、非ヒレ長形質と交配させるとF1では出現しない。 しかしながら、F1で得られたメダカどうしを交配させると、F2では必ずヒレ長形質が現れる。 例えば、天女の舞をベースとして新品種を作出したい場合は、F2が出るまで我慢することが重要である。 F2の中から、理想とするメダカにもっとも近く、かつヒレ長形質をもつメダカを選抜し、さらに累代飼育を重ねていく。これが松井ヒレ長メダカをさらに進化させる方法なのだ。 いまこの瞬間も、日本全国で新たな松井ヒレ長メダカが誕生していることだろう。
※F1とは異種間の交配で生まれた一代目。F2は、F1同士の交配で生まれる二代目のこと。