塩水浴の3つの効果と方法、金魚やメダカ、錦鯉などの淡水魚に

飼育している金魚や鯉、メダカなどが調子悪そうにい泳いでいたり、白点病などの病気になってしまったら塩水浴がオススメです。 しかし実際に塩水浴を始めるにはどうしたらいいのかお悩みの方へ、塩水浴の効果や塩水浴に使用する塩の量、塩水浴の期間、塩水浴のデメリットと対策について解説していきます。



新しい金魚を水槽に入れる際や、金魚すくいの金魚を飼育する際には特にオススメ!!


目次



 


 

1.塩水浴の効果

まずは塩水浴をおこなう3つの効果について見ていきましょう。

 

1−1.効果@ 浸透圧の調整

金魚・錦鯉・メダカなどの淡水魚は、体内より外部の水の方が塩分濃度が薄いため、細胞膜から水がどんどん体内に入ってきてしまいます。そこで、淡水魚はほとんど水は飲まず、エラから入ってくる水から酸素や塩分を吸収し、大量の薄い尿を排出して、体内の浸透圧を一定に保っています。 金魚などの体内の塩分濃度に近い0.5%程度の塩水に入れることにより、上記の浸透圧調整が楽になり、体力の消耗を減らすことができます。



淡水魚・海水魚の浸透圧調整イラスト

 


 

1−2.効果A 亜硝酸が引き起こす酸欠の防止

水中に含まれる亜硝酸イオンが血中のヘモグロビンと結合すると、赤血球の酸素運搬が阻害され、魚は酸欠になります。塩に含まれる塩化物イオンは亜硝酸イオンが血中のヘモグロビンと結合するのを邪魔し、亜硝酸イオンによる魚の酸欠を防ぐことができます。



 

1−3.効果B 殺菌作用

寄生虫やエラ病などの対処として、殺菌作用を期待して塩水浴をおこなう場合は、通常の塩水浴と異なり 1%以上の高濃度にて塩水浴をおこなう必要があります。 しかしながら高濃度(金魚では0.8%以上)では魚体への負担が非常に大きいため、高濃度での塩水浴は数分程度のごく短時間にとどめる必要があります。



 

2.塩水浴をおこなうタイミング

塩水浴はいつおこなうのが良いのでしょうか?塩水浴をおこなうタイミングは色々ありますが、主には


  1. 水槽に迎え入れた初期段階
  2. 飼育魚の調子が良くない時
  3. 飼育魚が白点病や尾ぐされ病などの病気を発症した時

などがあります。魚の体力が落ちている時におこなうケースが一般的です。



 

3.塩水浴をおこなう方法

最初は難しく感じるかもしれませんが、塩水浴をおこなう方法はとてもシンプルです。4つのステップに分けてご紹介します。

 

3−1.塩水浴用の水槽を準備する

塩水浴はもともとの飼育水槽でおこなうことができますが、水草が入っている場合は、塩水浴をおこなうことによって水草が枯れたり溶けたりしてしまいます。 水草が入っている水槽で塩水浴をおこなう場合は水草を別水槽に移動させる必要があります。水草の移動ができない場合は、塩水浴用の水槽を新たに準備してください。 塩水浴用の水槽にも魚を飼育するうえで必要な備品は揃えておきましょう。



 

3−2.塩水浴用の塩水を作る

金魚、鯉、メダカの状態を整え、体力を回復させるには、塩分濃度0.5%に調節した塩水浴が有効と言われています。

0.5%濃度の塩水を作るためには、水1リットルあたり5グラムの塩が必要となります。


◆◆必要な塩の量◆◆


●塩の量(グラム)=飼育水槽内の水量(リットル)×5


例えば、10(リットル)の水槽では50(グラム)の塩の量、30(リットル)の水槽では150(グラム)の塩の量が必要です。


◆◆飼育水の水量はどうやって計算する??◆◆


水槽の横幅(cm)、奥行(cm)、水を入れた時の水面までの高さ(cm)をかけた値を1000で割ると、 水槽に約何リットルの水が入っているかを求めることができます。


●水槽の横幅(cm)×奥行(cm)×水面までの高さ(cm)÷ 1000 =水槽内の水量(リットル)



例)30p水槽(横幅30cm、奥行18cm、水面までの高さ23cm)の場合

30p × 18p × 23p ÷ 1000=12.4(リットル)
12.4(リットル)×5 =62(グラム)

この水槽で塩分濃度を0.5%にするためには、62グラムの塩が必要です。



水量にあわせて飼育水に塩を加えてください。



※塩水浴をおこなう際は、水草を別の容器に移してください。



 

3−3.塩水浴の期間

塩水浴は、飼育魚の調子を観察しながら1週間〜2週間おこなうとよいと言われています。飼育魚が元気になったら塩水浴を終了してください。



 

3−4.塩分濃度を維持する

塩水浴中は水槽内の水が蒸発して塩分濃度が高くなったり、水換えをして塩分濃度が薄くなったりします。そのため、定期的に塩分濃度を測定し、正しい範囲内の濃度を保てるように調整する必要があります。 また、ソルトマスターを使用すると、塩分濃度の確認・調整を簡単におこなうことができます。



 

4.塩水から淡水への戻す方法

塩水浴が終わった後はいきなり塩分濃度0%の淡水に戻すと魚にとって負荷が大きくなりますので、数日おきに水換えをしながら徐々に塩分濃度を下げていくことをオススメします。十分に塩分濃度を下げられたのちに元の飼育水槽へ水合わせをして戻してあげてください。 塩水浴用の水槽を使用していない場合は、塩分濃度を十分に下げられたら一連の流れは完了です。



 

5.塩水浴のデメリットと対策

 

塩水浴にはメリットばかりでなくデメリットもあります。


  1. ろ過細菌が一時的に弱ってしまう
  2. 水がアルカリ性に傾きやすいのでアンモニアの毒性が上がってしまう
  3. 水草が枯れることがある
  4. 塩分濃度を高いまま保っていると海水性の病気が発生することがある
  5. 水の蒸発や水替えによって塩分濃度が上下するため、環境が不安定になりやすい

水草は塩水に耐えられず、枯れたり溶けたりしてしまいます。水草水槽に直接塩を入れずに、別途、塩水浴用の水槽を用意しましょう。また定期的に塩分濃度を測定し、正しい範囲内の濃度を保てるように蒸発した分の水を足したり、水換えをおこなった水量分の塩を追加したりと塩分濃度の調整をしましょう。



メリット、デメリットを把握して塩水浴をおこないましょう。


 
 

6.金魚・錦鯉・メダカの塩水浴にオススメの商品!


塩水浴・汽水用塩分濃度計
ソルトマスター


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7.まとめ

金魚・錦鯉・メダカを新しく飼育する場合や飼育魚の状態が良くない場合、または白点病などの病気を発症してしまった場合などに塩水浴をおこなうことは魚の状態を整える上で効果があります。 塩水浴をおこなう際は飼育水量に合わせて適切な塩の量を把握することが魚の健康維持のためにも重要です。塩水浴期間中は塩分濃度を適切に維持できる様に定期的に塩分濃度の計測をおこなって塩分濃度を調整してください。





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