超便利!ウェットシェルターのススメ



爬虫類愛好家ならば知っておきたい、便利なウェットシェルターを紹介します。



ウェットシェルターとは?

名前の通り“Wet(湿気のある)”な“Shelter(隠れ家)”という意味です。ウェットシェルターは爬虫類のストレスを軽減する隠れ家となるだけでなく、ケージ内の一部分に高湿度な場所を作り、脱皮不全を防ぐことができます。爬虫類飼育者全員にお勧めしたい便利な優れモノです。


用意するもの

作り方はとっても簡単です。必要なものは、飼育している生体のサイズに合わせたタッパーウェア(100円ショップなどで販売しているものでかまいません)と半田ゴテ(カッターなどでも可)、水苔(スポンジなどでも可)だけです。なお、水苔は使用前に熱湯(80℃以上)に浸け、一晩水で冷ましたものを使用しましょう。


作り方

@まず、タッパーウェアの壁面(もしくは上面)にマジックで入口を書きこみます。




Aそれに合わせて、半田ゴテでタッパーウェアを焼き切ります(※火傷に注意して下さい)。カッターなどで切り取っても構いません。その後、タッパーウェアを水でよく洗います(※化学洗剤は使用しないでください)

ゆっくり丁寧に…火傷をしないように注意してください。


入り口の大きさは飼育する生体によって様々です。


入り口が上にあるバージョン(主にヘビ類に向いています)。


B内部に湿らせた水苔を敷き詰めます(スポンジなどでも可能)。

水苔の量はヒョウモントカゲモドキなら2〜3cm。ヘビの仲間はもう少し多めで


Cケージに設置して完成です。

ケージ全体はカラッと乾かせて、ウェットシェルター内はじっとり湿っている…
湿度にメリハリを付けるのがポイントです。


ウェットシェルターの管理

ウェットシェルター内の水苔は、時間と共に細かく砕けてしまいます。およそ2週間を目安に交換しましょう。また、飼育している爬虫類がウェットシェルターの内部で糞をしてしまったり、水苔にカビが生えたりしたら、交換しましょう。


ウェットシェルターに向いている爬虫類

ウェットシェルターはカメを除く地上性の爬虫類なら、ほとんどの種類に利用できます。人気のヒョウモントカゲはもちろんのこと、コーンスネークやキングスネークなどナミヘビの仲間。 ボールパイソンなどニシキヘビ科(特に幼蛇)にも利用できます。ウェットシェルターを設置することにより、脱皮不全を防ぎ(ヘビの仲間にとっては、脱皮を始める時のとっかかりにもなります)、爬虫類の皮膚の健康を保つことができます。

ウェットシェルター内で休むヒョウモントカゲモドキ。
乾燥した環境を好むと思われていますが、湿度は必要です(特に幼体)


ウェットシェルターの中に潜りこむキングスネーク


ウェットシェルター内で脱皮したセイブシシバナヘビ


ウェットシェルターを使って脱皮したマレーベニナメラ。
乾燥に弱く、神経質なアジアンラットにとっても
ウェットシェルターは必須アイテムと言えます。


ウェットシェルターの問題点

非常に便利なウェットシェルターですが、微妙な問題点もあります。個体にもよるのですが、飼育している生体がウェットシェルターの中身を外部にまき散らすことがあります(特にヤモリの仲間)。 原因はよくわかりませんが、観察している限りでは、彼らはウェットシェルター内を地中(?)と勘違いして、水苔を掘り、さらに奥へと進もうとしているようです。こういった場合は、 ウェットシェルターの中身を水苔からスポンジなどに変えてやるとよいでしょう。



ウェットシェルターの中身が散乱しています。
犯人はヒョウモントカゲモドキ


いかがでしたでしょうか?作成も使用も簡単なウェットシェルターは、カミハタの現場でも大変重宝しています。ぜひ皆様の爬虫類飼育にも御活用ください。



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