水槽のろ過バクテリア能力を最大限に。機能的なスポンジフィルターで実現



アクアリウムに必須の「ろ過」や「バクテリア」について、理解はしていても、満足のいく「ろ過」の効いた水槽を用意するのは簡単なことではないと思います。ここではろ過の特性を理解し、その特性を活かして高いろ過能力を発揮するよう工夫されたスポンジフィルターを紹介します。この優れた「ろ過」が得られれば、魚の状態も容姿もアップし、繁殖などのステップに進みやすくなることが期待できるでしょう。




目次



1.水槽内のろ過バクテリアとは

アクアリウムを始める人が最初に学ぶ「ろ過」や「ろ過細菌」「ろ過バクテリア」。基本的なことですが、この「ろ過」が、アクアリウム水槽の良し悪しを左右する大事なポイントになります。ろ過を担う「ろ過バクテリア」の力を最大限に引き出すために、まずはその性質をしっかりと理解することから始めたいと思います。


1-1.ろ過バクテリアの働き

アクアリウム水槽内に存在する残り餌やフン尿【アンモニアや有機物】は水中に存在すると有害です。「ろ過バクテリア」はこれらを分解し、【アンモニアや有機物】→【亜硝酸】→【硝酸】と、害の少ないものに変えていきます。「ろ過バクテリア」が働けば働いてくれるほど、アクアリウム水槽の水は綺麗になります。



1-2.有機物とバクテリア

水中の有機物量は、水の汚れの目安になり、有機物が減れば水が綺麗になったと言えます。 有機物を分解しているのは「ろ過バクテリア」の内の有機物分解菌です。
有機物分解菌は、水中の有機物を分解して水質を浄化します。




1-3.水中に浮遊する細菌とろ過バクテリアの違い

では「ろ過バクテリア」はどのようにしてできるのでしょうか。 アクアリウム水槽内に存在する残り餌やフン尿は、有機物として水中に浮遊しています。もともと水中に存在していた細菌やバクテリアは有機物を見つけるとエサとして分解し、増殖(大量発生)していきます。 これら水中で浮遊しているバクテリア達は、やがてフィルターや底砂の中など落ち着ける場所を見つけて定着します。その場所に入ってくる有機物を分解し、自身も増え続けていきます。この定着したものが「ろ過バクテリア」と言われ、水を浄化する力となります。

一方で、定着できる場所が見つけられず、水中を浮遊し続けている細菌やバクテリアもいます。これらが水中で増殖していくと、魚に接触(感染)して魚の細胞組織などを破壊し始めることがあり、飼育している魚たちへ悪影響を及ぼします。






1-4.ろ過バクテリアが好む環境

「ろ過バクテリア」は、水と酸素が行き届いた、目の細かい連続多孔質の場所に定着して増殖する性質があります。そのためろ材やフィルターには「ろ過バクテリア」が掴まりやすい細かい繊維や小さい穴がたくさん開いた素材が使われています。 そして「ろ過バクテリア」が定着して増殖している場所にはだんだんとヌメリが発生するようになります。このヌメリがある場所では新しいバクテリアが捕まりやすく、次々に「ろ過バクテリア」が増殖していきます。

また「ろ過バクテリア」は生きて呼吸し、水を浄化する働きをするために、新鮮な水と酸素がある環境を求めています。




2.スポンジフィルターとは

スポンジフィルターは「ろ過バクテリア」を定着させて水を浄化させる代表的なフィルターの1つです。フィルターとしての働きなど、どのようなものか見ていきましょう。




2-1.スポンジフィルターのメリット、デメリット

スポンジフィルターは、アクアリウム水槽に直接入れて稼働させるので、準備の手間がかからず導入が簡単です。またエアレーションを使用して水流の流れをつくるため、エアレーションを別で用意する必要が無く一石二鳥。さらにスポンジフィルターごと取り出すだけで、吸収したゴミをまとめてアクアリウム水槽内から除去することができるので、メンテナンスもしやすく便利です。
ただし、水槽内の景観にこだわるという人には向かないという面もあります。




2-2.スポンジフィルターとろ過バクテリアの働き

水中に浮遊する細菌やバクテリアは、スポンジフィルターの環境を好み、そこに定着し「ろ過バクテリア」となって増殖していきます。そのため水中に浮遊する細菌は少なくなり、魚への感染や悪影響も発生しにくくなります。 スポンジフィルターに定着した「ろ過バクテリア」は、アクアリウム水槽内の有機物のゴミを分解して水の透明度を保ち、水質を浄化します。
ということは、より多くの「ろ過バクテリア」をスポンジろ材に定着・増殖させて、その働きを活発化させることができるようにすればするほど、アクアリウム水槽内の水質は良くなっていくと言えます。



2-3.ろ過バクテリアのためのメンテナンスと注意点

スポンジフィルターに限ったことではありませんが、フィルターはろ材の通水に偏りがあると、吸引力の強い部分のみに「ろ過バクテリア」が定着して、ろ材容積全体を活かしきれません。それだけでなく、局所的に細菌やバクテリア、菌、汚れが集中すると、次第にその部分の通水性は低下し、ほかの部分から通水するようになります。そうなると最初に汚れが集中していた箇所には通水しなくなって酸欠状態になり、そこでは「ろ過バクテリア」が機能できなくなってしまいます。さらにそのままろ材を洗わずに放置すれば、やがて通水しなくなった部分は汚れの塊と同様になることが懸念されます。

そのためフィルターは、ろ材の通水に偏りがないように設置することが大切で、定期的にろ材を洗ったり、ろ材交換をおこなったりすることが必要です。スポンジフィルターの場合は、スポンジろ材を簡単に取り外すことができるので、汚れ具合や劣化状況を確認しながらメンテナンスをおこなうようにしましょう。




3.ろ過を追求したリオ バクトサージ スポンジフィルター





リオ バクトサージ スポンジフィルターは、「ろ過バクテリア」を大量に定着・増殖させて、高い浄化能力を発揮するスポンジフィルターです。 これまで様々なフィルターを使い続けてきた経験や要望が活かされ、工夫を凝らした構造になっています。



水と酸素ができるだけスポンジろ材の全体に均等に行き渡るような構造になっているリオ バクトサージ スポンジフィルターは、「ろ過バクテリア」が満遍なく定着し活発に働きやすい環境をつくることができます。

大きな特長は、大径フランジとスポンジろ材側面のスリットが浅い仕様で、どの面からも均等な力で水を通せるようにした工夫です。 このような構造によってスポンジろ材に「ろ過バクテリア」を偏りなく大量に定着させられるため、リオ バクトサージ スポンジフィルター使用時は、水中に浮遊している細菌を少なく維持できることが分かっています。

また別売の「ロング吐出パイプ」を使用することで、通水量を増やしつつ水槽内の水流を弱めることが可能になることも特長の1つです。

→「リオ バクトサージ スポンジフィルター」の詳細は、カミハタWEBサイトへ



4.リオ バクトサージ スポンジフィルターおすすめの魚種

リオ バクトサージ スポンジフィルター を使用する場合に、その機能性と相性の良い魚種について紹介します。綺麗な水質で飼育ができるだけでなく、ヒレが伸びやすくなったり、ブリードがしやすくなったり、楽しみの幅が広がることが期待できます。



  • ●金魚、鯉

  • 金魚や鯉はフンが多く水を汚しやすい魚種です。大きいサイズの金魚や、飼育数が多い場合は特に強力なろ過が必要なので、リオ バクトサージ スポンジフィルター XLサイズがおすすめです。 ヒレの長い金魚やヒレ長鯉は、水質が良いとヒレが伸びて綺麗に開くので、見栄えのする魚に成長していく姿が楽しめます。


  • ●グッピー

  • グッピーもヒレが大きくなっていく様子を楽しめる魚です。グッピーのヒレは、ろ過が不十分だと閉じてしまったり、尾びれの先がバサバサになったりしますが、良いろ過の環境で飼育できればグレードの高いグッピーに成長させることもできるでしょう。

    またオプションの「ロング吐出パイプ」を使用して水流を少し弱めた環境で飼育すれば、強い水流が得意でないグッピーにも適した環境にすることができます。サイズに関しては、45p〜60pの規格水槽で10〜15匹を飼育する場合、リオ バクトサージ スポンジフィルター Lサイズをおすすめします。


  • ●メダカ

  • メダカは、水質が悪くなると体表から粘膜を出して水を汚しやすく調子を崩しやすい魚です。特に屋内飼育の場合はそれが顕著で、水質を綺麗に保つことが痩せ防止、繁殖、色揚げのためにも重要です。基本的にはリオ バクトサージ スポンジフィルター Lサイズで安定したろ過環境を整えることがおすすめですが、浅い水位の環境で飼育される場合は Sサイズが使いやすいです。
    またグッピー同様、弱い水流を好むためオプションの「ロング吐出パイプ」の使用が適しています。


  • ●シュリンプ

  • レッドビーシュリンプなど繁殖を目的にシュリンプの仲間を飼育している方は多くおられ、その中にはスポンジフィルターを使用されている方もおられます。レッドビーシュリンプは特に水質が良いと動きが活発になるため、水質を綺麗に維持する条件は必須です。魚と比べて水を汚しやすいイメージはありませんが、高いレベルの浄化された水質が求められるため、30 L 程度の水量の場合でもリオ バクトサージ スポンジフィルター Lサイズをおすすめします。
    またシュリンプの仲間は、ろ過が完全に立ち上がってからでないと飼育できる環境が整いにくいので、セットして2ヶ月程度待ってから飼育を始めると良いでしょう。


  • ●プレコ

  • プレコの仲間も多くが清流に生息していて、綺麗な水を求められる魚種です。小型のプレコの飼育であればリオ バクトサージ スポンジフィルター Lサイズをおすすめします。大型のプレコなどの場合は、スポンジろ材をかじられる可能性があるので設置場所や交換時期などにご注意ください。


  • ●エンゼル、ディスカス

  • 産卵・繁殖を楽しめるエンゼル、ディスカスの飼育にもリオ バクトサージ スポンジフィルターはおすすめです。XLサイズであればエンゼルやディスカスを飼育するような大型で水深のある水槽にも適しています。深さがある場合はオプションの「ロング吐出パイプ」を使用すると通水量が増して、より高いろ過能力が期待できます。
    また孵化したての稚魚たちをポンプなどに吸い込まれる心配がないのでブリーディングにも適しています。




※全ての魚種においてサイズや飼育数に合わせてリオ バクトサージ スポンジフィルターの使用数は調整してください。




5.まとめ

ろ過バクテリアの特性や、ろ過バクテリアを増殖させて水質浄化能力を最大限に引き出す方法、それらを実現するための構造を追求したリオ バクトサージ スポンジフィルターについて紹介させていただきました。 安定した強力なろ過を立ち上げることは、魚を健康に維持するだけでなく、美しいヒレや色揚げ、繁殖など、アクアリウムを充実させることに繋がるので、是非大切にしていきましょう。


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