【金魚探訪記】第31回 金魚日本一大会 2025年10月26日開催
2025年10月26日、愛知県弥富市。日本最高峰の金魚が一堂に会する第31回金魚日本一大会は、無情にも傘を差す雨模様となりました。
まさか、この日に限って...。
大会の二週間前から、もう何度、天気予報を覗き込んだでしょうか。少なくとも10回以上。指折り数えるたびに「どうか晴れてくれ」と願い続けましたが、その想いは天に届きませんでした。雨中での開催は、2017年の第24回大会以来。この原稿を書いている今でさえ、降りしきる雨がもたらした悔しさを拭い切ることができません。
年に一度きり、愛好家たちが魂を込めた金魚が集結するこの舞台。取材の目的は、単なる綺麗な写真を撮るというエゴではありません。
出品者の自慢の金魚たちを、一番可愛く、綺麗に、格好良く撮って、記録に残したい
いつも、その一心でシャッターを切っています。
太陽光に照らされた時の、水底から湧き上がるような浅葱の幽玄な色合い。光を浴びて初めて、個性が爆発するスパンコールのような鱗の煌めき。水面を優雅にゆらしながら泳ぐその姿は、もはや説明するまでもなく誰もが瞬時に心を奪われる、まさに泳ぐ芸術。
晴天の光の下で、その輝きを捉えられなかったことが心残りであります。
初めて金魚日本一大会を訪れたのは2015年のこと。
当時、目の当たりにしたのは、琺瑯(ほうろう)の容器から今にも飛び出しそうなほどド迫力なオランダシシガシラ。力強く泳ぐたびに水が溢れんばかりの朱文金やコメット。そのどれもが「横綱」という言葉そのものであり、圧倒されたのを鮮明に覚えています。
そこから10年の時が流れ現在の出品魚は、昔と比べるとサイズは小ぶりになった印象を受けますが、その代わりに繊細かつ丁寧に作り込まれた、格別の美しさが際立っていると感じます。
「多様性」という一言では収まらないほど、金魚の進化は凄まじいものがあります。今年の総出品数は728点。その中でも、定番の品種を上回る出品数を記録した「その他部門」いわゆる個性的な金魚たちの勢いには、目覚ましいものを感じました。
第31回金魚日本一大会 順位表 (クリックするとPDFファイルが開きます)
親魚の部 優勝&特別賞
吉見 正洋氏
丸林 健太氏
その他A和金型 銀鱗朱文金 吉見 正洋氏
松村 誠氏
下村 若良氏
当歳の部 優勝&特別賞
ブロードテール琉金 最賀 イサム氏
中嶋 秀人氏
その他A和金型 銀鱗黒五色和金 村岡 光雄氏
ドラゴンスケールらんちゅう 徳永 久志氏
親魚の部 優勝
湘南五色(和金開き尾) 都築 久美雄氏
当歳の部 優勝
三色和金 今井 章仁氏
その他 会場を彩った金魚たち
【金魚品評会】
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【金魚探訪記】第30回 金魚日本一大会
第30回金魚日本一大会が2024年10月27日、愛知県弥富市で開催されました。今年から出品料が値上がりしましたが、例年同様に大会の賑わいは衰えず総出品数は690匹。会場には制服姿の学生さんも見学に来ていて、学校で金魚を育種しているとのこと。近い将来ベテラン勢に並ぶ日が来ることを楽しみに、また来年この日を心待ちにしています。



















