ミジンコの増やし方(殖やし方)と注意点 ミジンコ増やしてメダカを増やす

ミジンコは魚が喜ぶだけでなく、水を汚しにくい活きエサとしても重宝しますが、自宅で増やすのは難しいイメージがあるかもしれません。確かに最初はコツがいりますが、増やし方をきちんと学べば少しのアイテムで繁殖させられます。
そこで今回は、ミジンコの増やし方や注意点、初心者におすすめの繁殖セットをご紹介します。是非、この記事を参考に、ミジンコを増やしてメダカを大きく成長させたり、繁殖させたりするのに役立ててください。
目次
- 1.ミジンコとは
- 2.ミジンコがメダカのエサとしておすすめな理由
- 3.ミジンコの増やし方(殖やし方)
- 4.ミジンコの増やす(殖やす)ときの注意点
- 5.ミジンコを増やす(殖やす)ための「みじんこ畑」(特許出願中)
- 6.ミジンコを効率良く増やせる(殖やせる)「みじんこ増殖エキス」
- 7.まとめ
1.ミジンコとは

ミジンコとは、水中に生息する小さな甲殻類のプランクトンで、多くの種類が存在しています。
ミジンコの中でもメダカのエサとしてよく使用されるのはタマミジンコという種類です。日本の田んぼで春になると発生する、あのミジンコの多くがタマミジンコです。
タマミジンコは、適した環境で生息していると非常に短いサイクルでメスだけで単為生殖を繰り返して増えます。つまり心地よい環境の場合は ”みじん子”が ”みじん子”だけを産みます。
ところが生息環境にストレスを感じ始めると、”みじん子”が オスの”みじん太”を産むようになります。そうして”みじん子”と”みじん太”が交尾をすると、乾燥にも耐え得る卵を産んで子孫を残そうとするのです。
2.ミジンコがメダカのエサとしておすすめな理由
そもそもミジンコがメダカのエサとして注目されているのにはなぜでしょうか。その理由を見ていきたいと思います。
2-1.メダカの繁殖に役立つ飽和給餌
メダカの繁殖をしている多くの方々は、飽和給餌ができる環境を作るためにミジンコを自ら殖やして与えています。 産卵にはたくさんのエネルギーを必要とするため、メダカの繁殖を狙うなら親メダカの栄養状態を良くして エネルギー満タンにさせてあげることがとても大切なのです。通常の給餌量でも産卵することはできますが、飽和給餌をすることによって産卵数が増えたり、孵化する稚魚が丈夫に育つ可能性は高まります。 飽和給餌に近づけるためにはこまめな給餌が必要になりますが、通常の給餌+ミジンコを与えることでもそれは可能になります。
2-2.嗜好性が高く、水を汚しにくい
購入して間もないメダカは、環境の変化からなかなかエサを食べない場合があります。しかし、ミジンコは活きエサであるゆえ水を汚しにくいので、そのままにしておいても良いのがメリットです。 またミジンコを食べることをきっかけに人工飼料にも餌付きやすくなって、立ち上げをスムーズにするお手伝いにもなります。
2-3.色々な観賞魚の稚魚のエサにも
ミジンコは、親メダカだけでなく稚魚メダカにもエサとして食べさせることができます。ミジンコを殖やす過程では親ミジンコより小さい仔ミジンコもたくさん産まれるので、この仔ミジンコが稚魚メダカのような小さな口にも入る活きエサとして活躍します。
またミジンコは、メダカだけでなく他の観賞魚も大好物の活きエサです。そのため多くの観賞魚の稚魚のエサとしても与えることができます。
3.ミジンコの増やし方(殖やし方)
ミジンコを増やす方法はいくつかあります。その中でも代表的なものを紹介しましょう。
3-1.グリーンウォーター(青水)で増やす
屋外でミジンコを増やす方法として、よく知られているのがグリーンウォーター(青水)で増やす方法です。
メダカを屋外で飼育していると、水が緑色になることがあり、グリーンウォーター(青水)と呼ばれますが、その正体は植物プランクトン。
この植物プランクトンをエサとしてミジンコを増やすことができます。
グリーンウォーター(青水)は太陽光による光合成で維持できるので、ミジンコ繁殖用のエサなどを特別に用意する必要がない点が大きなメリットです。
ただこのグリーンウォーター(青水)が濃くなりすぎるとミジンコが酸欠を起こしたり、急に無色透明な水になってしまったりすることがあるので、微妙な変化を見落とさずに観察して細かく調整する必要があります。
グリーンウォーター(青水)は、およそ水深5pのところで泳ぐ魚がはっきり見えるくらいの濃さを保つようにするのがポイントです。深緑色の水というよりは、黄緑色〜薄い緑色になるようにするのが良いでしょう。
3-2.鶏糞で増やす
比較的簡単に購入できて、ミジンコがよく殖えるという点で、鶏糞を使用されている方も多いです。
鶏糞を水に入れて、しばらく放置すると水が茶色くなります。鶏糞を養分として、微生物などが発生した状態です。これがミジンコのエサとなります。
爆発的に増えることも多いので、たくさんのミジンコを増やしたいという場合には特に適していると思います。
一番の難点はニオイ。どのような容器でも増やすことができますが、屋外にセットされることをおすすめします。
セットするのときの鶏糞と水の割合は、使用する鶏糞の種類などにもよりますが、水量2Lに対して小さじ1杯分程度から始め、様子を見ながら足していくのが良いと思います。
3-3.クロレラで増やす
クロレラの中でも液体で販売されている濃縮クロレラを使用する方法です。
濃縮クロレラは、グリーンウォーターで出てきた植物プランクトンをぎゅっと濃縮させたものなので、水に薄めて少しずつ使用します。
グリーンウォーターは太陽光など自然の力に寄るところが大きくなりますが、クロレラを使用すれば安定的、計画的にミジンコを増やすことが可能です。
使用量によっては屋内で増やすことも可能ですが、わりと頻繁に換水する必要があり、多少の臭いもあるので、屋外でセットする方が無難かもしれません。
使い方をマスターすると、爆発的に増やすことができますが、濃縮クロレラは冷蔵保管が必要で消費期限が限られているため、使い切ることができる量を定期的に購入する必要があります。
セットするときの濃縮クロレラの量は、その濃縮度合いにもよりますが、水量1Lに対し0.5〜1ml程度が目安で良いと思います。ミジンコの量が少ない場合は添加する濃縮クロレラも少な目からスタートするのがベストです。
3-4.ドライイーストで増やす
身近なところで手に入りやすく、簡単に挑戦できるのがドライイーストを使用する方法です。
イースト菌、酵母菌を水に溶かすことで、ミジンコのエサとなる微生物が発生します。
水は白く濁ったようになりますが、透明な容器を使えばミジンコの姿を横から確認することも可能です。
また屋内で増やすことができるという点が大きなメリット。臭いもそんなに気になりません。
小規模、少量で少しずつ増やしたい方に特におすすめな方法です。
使用するドライイーストの量は、培養水中のミジンコの量にもよりますが、水量2Lに対して耳かき1/2〜1杯くらいからスタートして様子を見ながら調整するのが良いでしょう。
4.ミジンコを増やす(殖やす)ときの注意点
ミジンコを増やす方法は色々ありますが、注意する点や増やすためのコツは共通している部分が多くあります。ここでは3つの大きなポイントをお伝えしたいと思います。
4-1.水温を維持する
ミジンコを増やすための適正水温は25℃前後です。 20℃以上でなければ維持することも難しくなってくるので、温かい季節の屋外または、屋内の空調設備のある環境などで増やすのが適しています。 特に、しっかりミジンコを増やしたいという場合には、常に25℃以上を保てる環境を用意することが大切です。 注意しなければいけないのが、昼間は25℃以上あっても夜間に温度が下がってしまう環境。こういった場合、ミジンコは思うように増えないことが多いです。 あまり増えないな、と思うときには、まず水温を確認してみてください。
4-2.適正な数で増やす
スタート時には、多めのミジンコを入れることをおすすめします。
特に初めてミジンコを増やす場合、ミジンコはなかなか増えずに水質が悪化するほうが早くなって失敗してしまうことが多いので、
最初は多めにミジンコを投入して、増やす感覚をなるべく早く掴んていくのが良いと思います。
そのうちミジンコがどんどん増え始めたら、ある程度は間引きながら増やすことも大切です。
ミジンコの密度があまりきつくなり過ぎると、ミジンコは死んでしまうことがあります。
増えたミジンコは、適度にメダカや稚魚などに与えて、適正なバランスを保つようにしましょう。
4-3.やさしく掬う
どんな方法で増やしていても、どこかのタイミングで株分けしたり、換水、リセットといった作業が必要になってきます。 その際、ミジンコを移動することになるのですが、雑に扱ってしまうとミジンコの脚などが折れてしまうと言われています。 ミジンコが、新しい環境に慣れてすぐに増えるようにするためには、万全の状態で移してあげることが大切です。 ミジンコを掬うときはネットをゆっくり動かし、ネット内に集まったミジンコをなるべく水から出さないよう、カップやレンゲスプーンなどを使って水ごと掬い出すようにしましょう。
5.ミジンコを増やす(殖やす)ための「みじんこ畑」(特許出願中)

みじんこ畑は、ミジンコの繁殖を簡単にする土やエサが約2か月分入っており、プラスチックケースで継続的にミジンコを増やすことができるセットです。

付属の土や生分解性樹脂は初めにセットするときに全て入れておけばOK。あとは定期的なエサやりと水換えで維持できるので、初めてでもかんたんにミジンコを増やすことができます。 みじんこ畑に付属している土は水を汚しにくく、プラスチックケースから中の様子を見ることが可能です。 ミジンコが増えていく様子が目で見て確認できるので、ミジンコの数やエサを与えるタイミングが分かりやすく、失敗しにくくなります。

みじんこ畑に付属している土やエサは約2か月分です。2か月経ったら、新しい土やエサのみが入っている「交換セット」でリセットしていただくのがおすすめです。
土が新しいものになると、ミジンコの増殖スピードにも勢いが出るので、少し増殖が弱まってきたと感じた場合にもリセットは有効です。
→「みじんこ畑 交換セット」の詳細は、カミハタWEBサイトへ
みじんこ畑に付属しているネットは、ミジンコを掬うことができる専用ネットです。0.25mmの細かい網目でほとんどのミジンコを優しく捕らえることができます。
→「みじんネット」の詳細は、カミハタWEBサイトへ


6.ミジンコを効率良く増やせる(殖やせる)「みじんこ増殖エキス」

みじんこ増殖エキスは、ミジンコを培養するための添加剤です。活力のあるミジンコがよく増え、生クロレラを使った培養時に勝るとも劣らない繁殖力が期待できます。
メダカはミジンコが好きであっという間に食べ尽くしてしまうため、メダカを多く飼育されている方は特に、たくさんのミジンコを効率よく培養することが求められるでしょう。 そのような場合に、みじんこ増殖エキスを使って、ミジンコの培養を効率UPさせることが可能です。 みじんこ増殖エキスは、メダカ鉢や飼育容器をたくさん並べてメダカを数十匹規模で飼育している方や、メダカをどんどん繁殖させている方、飽和給餌させてこれからメダカを増やしたい方など、メダカにたくさんミジンコをあげたい方におすすめです。


みじんこ増殖エキスは、常温保管ができることが大きな特長です。 大量のミジンコ培養は屋外でおこなわれることが多いですが、冷蔵庫との往復が必要ないみじんこ増殖エキスはそのまま常温管理が可能で使用期限も長いため、色々な無駄をカットできます。

使用方法は、ミジンコ培養水10Lに対して毎日1mlを目安にミジンコ培養水へ添加します。
ミジンコを回収しながら培養する場合は、基本的に水換えの必要はありません。
毎週の水換えが必要ないので管理の手間がかからず効率的です。
3〜4週間経過を目安にミジンコが殖えなくなってきたらリセットをして繰り返し培養していくことができます。
また添加量を多少入れ過ぎたり、少な過ぎたりした場合でも、それでミジンコがいなくなってしまうような失敗があまり起こりません。
使い勝手が良く、バランスのとりやすい添加剤なので、気負いなく使っていただくことが可能です。
7.まとめ
メダカは胃を持っておらず、食べ溜めることができない痩せやすい魚です。そのため水を汚しにくく栄養分が豊富なミジンコは、メダカのエサとして非常にお勧めできます。ミジンコには様々な増やし方があり、本ページでは一般的な4つの方法に加え、初心者の方向けに「みじんこ畑」と、効率よく増やしたい方向けに「みじんこ増殖エキス」をご紹介させていただきました。どのような増やし方でもミジンコを増やすためのコツは、ほとんど共通です。注意点を頭に入れてミジンコをたくさん増やし、メダカの飼育をもっと楽しんでいきましょう。
【みじんこの卵】
魚にミジンコを与えてみたいと思っている初心者の方にも扱いが便利なミジンコの乾燥卵。 ミジンコを殖やして、メダカの繁殖にも挑戦できます!