カエル界の横綱 アフリカウシガエルの飼育と成長
アフリカウシガエルの幼体。丸っこくて可愛いですね。
アフリカウシガエルとは?
アフリカウシガエル Pyxicephalus adspersus とはアンゴラ、ケニア、ザンビア、タンザニア、ナミビアなどに分布しており、アフリカウシガエル属、アフリカウシガエル科に分類される大型のカエルです。 日本にも帰化しているウシガエル Lithobates catesbeiana と名前が良く似ていますが、ペットとして飼育可能です(ウシガエルは特定外来生物に指定されており、飼育は法律で規制されています)。

でっかくなります!
アフリカウシガエルの幼体はオモチャのように可愛いルックスですが、成長に伴いその容貌は一変します。しかも、そのスピードが速い!4ヵ月毎の成長を画像で紹介します。

アフリカウシガエルは日本を含む世界各地で繁殖がおこなわれています。


何も特別なことはせず、定期的に餌を与えているだけなのに、一年未満でここまで大きくなります。 でも、これでもまだまだ小さいサイズ!最終的には雄ならば全長25cm、体重は1.5kgほどに成長します。カエルの中でもここまで成長が早い種類は、なかなかいないでしょう。
飼育方法
飼育環境
アフリカウシガエルはさほど活発ではありませんが、夜間にノソノソ歩き回ったり、時にはびっくりするような跳躍力を見せるときもあるので、
ツノガエルなどよりはちょっと大きめの飼育容器が良いでしょう。もちろん大きくなるので最終的には60cm水槽などが必要になります。
床材は湿らせた大磯や黒土、熱帯魚用のソイルなど、様々なものが利用可能ですが、当社では水苔をおもに利用しています。しっかりとメンテナンスした(数日間水に漬けた)水苔ならば、カエルが誤食しても安全です(定期的な洗浄、交換は必要です)。
アフリカウシガエルは気に入ったところにお尻をグイグイと押し付けて、窪みを作り、日中はじっとしていることが多いです。
適温は28〜30℃前後です。低温には注意しましょう。照明は特に必要ありません。ちなみに、飼育下では35年以上の飼育記録があります。大型だけあって、長寿なんですね。

エサ
アフリカウシガエルは貪食な種類であり、野生下ではサソリやクモ、昆虫、カエル(同種を含む)、爬虫類、哺乳類、時には鳥類すら捕食します。中には毒蛇や亀などを食べた個体も観察されているそうです。
アフリカウシガエルは過酷な環境に生息しているため、獲物を見つけたら、食べられる時には絶対食べたい!食べられない時はじっと我慢する・・・という生活スタイルのカエルなのです。
飼育下でもその貧食さは失われていません。体のサイズにあったコオロギからマウスまで、何でも良く食べます。ただし、餌のやりすぎには注意しましょう。
幼体ならば週に2〜3回、コオロギなどを与え、成長につれて餌のサイズアップをしていきますが、マウスを食べるようになったら、
週に一回、もしくは糞を確認してから与えるようにすると良いでしょう。成体になってしまえば、1ヶ月に1〜2回程度の給餌でもかまいません。

アフリカウシガエルの管理
アフリカウシガエルの管理で一番気をつけて欲しいことは、咬まれないことです。餌と間違えて指や手に飛びついてくることがあり、咬まれたら結構痛いです。餌やりにはピンセットなどを使用しましょう。
また、不衛生な環境では短期間で状態を崩してしまうので、糞などは見つけ次第取り除き、床材も週に一回は交換するようにします。
野生下では乾期に土中へ潜り、数ヶ月間も休眠することができます。飼育下でもそれらを再現することは可能ですが、失敗したらカエルの命に関わるので、一年を通じて可愛がってあげましょう。

咬まれないようにしましょう。
存在感が魅力!
ペットフロッグの代表選手といえば、ツノガエルのなかまでしょう。世界中で愛されています。次にバジェットガエル、三番手には熱帯魚と相性のいいツメガエルでしょうか。しかし、今回の主役であるアフリカウシガエルも彼らに負けないポテンシャルを秘めていると思います。 なんてったってそのサイズ!豪快な餌食いが凄い!飼育だって難しくありません!飼っていて実に楽しいカエルです。アフリカウシガエルにはツノガエルのようなコレクション性はありませんし(色彩がどれも良く似ている)、ツメガエルみたいな協調性もありませんが、一匹でも存在感抜群です。まさにカエル界の横綱!